もう一度世界の舞台へ 陸上・女子100mハードル寺田明日香(35)が集大成 “国立競技場で走る姿を愛娘に”目指すは9月の世界陸上
2025年06月27日(金) 17時42分 更新

今シーズンで競技の一線から退くことを決めた、陸上・女子100mハードルの寺田明日香選手(35)。
支えてくれる家族とともに、集大成と定めた「世界陸上」の出場を目指しています。
陸上競技、女子100mハードル。札幌市出身の寺田明日香選手。
この日は、2月から陸上を始めた愛娘、果緒(かお)さんの初めての大会。
寺田明日香選手
「すごい!15秒62だって!最後まで一生懸命走ったのでよかったと思います!」
子育てをしながら歩んできた陸上人生。35歳になった今年、競技の第一線から退くことを決めました。
寺田明日香選手
「私の人生を豊かにしてくれたのが陸上競技。今年、東京で開催される世界陸上に向けて頑張っていきたい」
インターハイ3連覇。そして日本選手権3連覇など、早くから頭角を現してきた寺田選手。
ケガなどの理由で、23歳に一度現役を退きますが、6年後に再び、競技の道へ戻ってきました。
寺田明日香選手(当時29)
「東京五輪の開催が決まって、『家族で見たいね』って話を主人としていて、そういうチャンスいただけたらやるしかないなって」
日本女子初の12秒台を更新し、家族で叶えたオリンピック出場。
しかし、新型コロナがすべての観客を阻みました。
寺田明日香選手
「東京五輪を果緒(娘)に見せられなかった。国立競技場で走る姿を見せられなかったのが大きくて…」
東京オリンピックと同じ舞台で疾走するママのリアルな姿を、愛娘の記憶にとどめて欲しい。
世界陸上は、家族の集大成でもあります。
ただ、出場には、
・7月の日本選手権で8位以内
・参加標準記録12秒73を満たす(寺田選手の自己ベスト12秒86)
自己ベストを上回るタイムが必要で、7月の日本選手権での記録突破を目指す寺田選手。
いまは、持ち味であるトップスピードを維持しながら、ハードルを越える練習をしています。
今年の母の日。寺田選手はレースのために大阪府にいました。
スタンドには、夫の峻一さんと娘の果緒さんの姿が。
夫の峻一さん
「母の日のプレゼントです」
娘の果緒さん
「まだ何も完成してないの。(今から何作るんですか?)メダルでーす!」
つくっていたのは、大好きなママへの応援メダルです。
娘の果緒さん
「金メダルを渡したら、(日本選手権で)金メダルを取れそう。日本選手権で1位を取って、世界陸上に出場してほしい」
今シーズン、初めて決勝へと進んだ木南記念。参加標準記録突破とはなりませんでしたが、目標へ少しずつ近づいています。
夫の峻一さん
「あまり僕たちが上下しない方がいい。いろいろ思うことはあるけど、信じている」
娘の果緒さん
「合格とは言いたくない順位だけど、まあ怪我してないし」
大会終了後、娘の果緒さんから寺田選手に手作りの金メダルが手渡されました。
寺田明日香選手
「(娘が)こんな大きくなって寂しい気持ちもあり、走りを失敗しても褒めてくれてたのに、最近怒られるようになってきて。1位を取る難しさを(娘も)陸上を始めたので、わかってもらえたらいいと思いつつ、1位を目指す大事さも感じてもらえたら」
娘の果緒さん
「1位を取る大切さについてママは言えない。1位を取ってから言わなきゃ!」
寺田明日香選手
「そうだね…頑張るね。言えるように」