「早く安くなって欲しい」 ガソリン暫定税率「年内の早い時期に廃止」与野党合意 販売店は客殺到警戒 税収減1兆円の財源補填に心配の声も
2025年08月06日(水) 20時23分 更新

1リットルあたり25.1円が課せられているガソリンの暫定税率が「年内の早い時期に廃止」することで7月末、与野党が合意しました。
家計の負担が軽減される一方で手放しで喜べない事情もあります。
札幌市内のGS看板
「札幌市内国道12号線沿いのガソリンスタンドです。激戦区の白石区ですが、こちらは175円です」
6日午後、資源エネルギー庁が発表した北海道のレギュラーガソリンの平均店頭価格は1リットルあたり173.8円。
3週連続の値上がりでした。
利用者
「高いことは高いと思う。昔から比べると」
利用者
「早く下げてほしい」
高騰するガソリン価格を抑えようと、立憲民主党や日本維新の会などの野党7党は、ガソリン税に上乗せされている暫定税率を廃止することなどを盛り込んだ法案を提出、与党側も協議に参加して「年内の早い時期に廃止」することで合意しています。
ガソリンの暫定税率は道路などのインフラ整備の財源不足を理由に51年前に導入されました。
ガソリン1リットルの価格の構成です。
暫定税率は、現在、ガソリン税の本則税率28.7円に上乗せされた形で25.1円課せられていて、これが、半世紀ぶりに廃止されようとしているのです。
ニッセイ基礎研究所 上野剛志 首席エコノミスト
「(家庭の1年の)平均的なガソリン消費量は431リットルなので、年間7155円。ガソリンの負担が家計では減る」
ガソリン販売店は暫定税率が廃止になった場合、直後に、客が殺到しないか心配します。
中和石油 販売サービス部 堀内裕太 部長
「タンクの量は決まっているので在庫をしっかり抱え込んでおかないと、客に販売できない部分が出てくることもあるかなと思う」
さらに…。
藤田忠士 記者
「ガソリン暫定税率による税収は地方自治体の予算にも配分されているため、廃止になると地方自治体の税収も減ってしまうことを意味しています」
暫定税率の廃止で国と地方を合わせた減収は年間約1兆円と見込まれていて、それを補填する財源は不透明です。
ニッセイ基礎研究所 上野剛志 首席エコノミスト
「財源を見つけるという中で、例えば別の税金を増税する話になると、ガソリン税は下がったが、ほかの税金が上がってしまって、トータルでみると、どうなのとなる可能性は否定できない」
年内の早い時期に廃止することで合意したガソリンの暫定税率。
私たちの暮らしへの影響は?
今後の与野党の協議に注目です。