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海や漁村にある資源を生かして賑わいを創出『海業』学生たちのミッションは未利用魚の活用「商品開発と地域企業のリアルを知る」

2025年08月25日(月) 20時00分 更新

海や漁村にある資源を生かして賑わいを生み出す「海業(うみぎょう)」。今度の主役は学生たちです。

学生たちが参加しているインターンシップ。でも、単なる「職業体験」ではありません!





DO FOR FISH 齊藤いゆ 事務局長
「こういう配列がいいとか提案してくれたらすごくうれしい」

小西鮮魚店 小西一人 社長
「目標は年末のお歳暮で100万円売り上げる」

具体的な販売計画も…!?「海業(うみぎょう)」にチャレンジする学生たちの取り組みを、もうひとほりします。

北海道函館市の海産物卸会社を訪れたのは、神奈川県と愛知県の大学に通う学生2人です。



日本大学 生物資源科学部 松野日胡さん(1年)
「食品マーケティングや企画・開発など、さまざまな分野に興味がわいていたので…」

2人が応募した「海とインターン」北海道内のマチに1か月ほど住み込み、水産会社などで就業体験をします。

さらに、若者の視点で、地域の課題を見つけ、解決方法を提案してもらい、最終的には、「海のスタートアップ」に関わる人材の育成を目指します。

このインターンを2024年から企画しているのは、漁師や水産加工業者、食のプロデューサーなど「海業」に関心を持つ人たちでつくる法人「DO FOR FISH」です。



DO FOR FISH 齊藤いゆ 事務局長
「『海業』がいま若い世代との接点が少ないところから、まず知る機会を作っていくためこのインターンシップを始めた」

2人に課せられた「ミッション」は「未利用魚の商品開発」です。

「未利用魚」とは、経済的な価値が低く、売ることのできない魚のこと。



例えば、サメは、そのまま市場に出回ることは少ないですが、フライにしてハンバーガーとして売り出せば、新たな価値がつきます。

さらに…

DO FOR FISH 齊藤いゆ 事務局長
「どういう棚があったらいいか、どういう商品配列だったらいいかを考えてほしい」

齊藤さんは、商品の陳列方法や別の商品パッケージのデザインなども「ミッション」に追加しました。



中部大学 人文学部 吉野舞さん(4年)
「考えることが多すぎて、商品開発とかして地域を盛り上げたいと思ったけど、泥臭くて大変なんだと本当に実感している」

課題は山積み。ヒントを探そうと、資料館で北海道の漁業の歴史にふれたり…



「鯛に近い感じだから塩焼きとか、凝っている人は甘露煮にしちゃう」

地元の漁師に直接話を聞いたり。自分たちの「足」で、商品開発の糸口をつかみます。

漁師 熊木祥哲さん
「未利用魚は、本当は食べられる魚が利用されていないだけなので、頑張って形にしてほしい」

DO FOR FISH 齊藤いゆ 事務局長
「海業は課題だが体験と成果が得られるようなインターンシップを組むことができれば、このモデルケースをいろんなところで作ることができる」

一方、初めてインターンを受け入れた鮮魚店も。

立教大学 経営学部 結束大智さん(1年)
「ここに選んだ理由は、ゼロからイチの商品開発と地域企業のリアルを知れるので、ここにした」

大学1年生の2人に与えられた「ミッション」は…



立教大学 経営学部 結束大智さん(1年)
「お歳暮用ギフトを作成して100万円売り上げる目標」

北九州市立大学 経済学部 岡田紳吾さん(1年)
「(小西社長が)パッケージにすごいこだわっていて、僕らもパッケージにはこだわっていきたいなと思う」

鮮魚店の社長は、インターンを通して生まれる学生との深いつながりが、このプロジェクトの価値だと話します。

小西鮮魚店 小西一人 社長
「(去年は)一部の学生は戻って来たいと言う人もいた。いい取り組みだなと思って今回は参加させてもらった。今までだったら生み出せなかったようなものを、お互いシナジーすること(相乗効果)で生み出していければいいなと」

インターンは、9月18日までで、11月に最終的な成果報告がされるということです。学生たちがどんなものを生み出すか、期待が膨らみます。

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