アフリカ島国・マダガスカルの若者たちが北海道に 母国の農業発展のために武者修行 JICAが初の人材育成プログラム 高学歴者の失業率の高さに課題
2025年08月01日(金) 16時10分 更新
日本から1万1千キロ。遠く離れたアフリカの国から北海道に農業を学びに来た若者たちがいます。
母国の農業を発展させるための新たな挑戦です。
空知の長沼町にある長ネギやとうもろこしなどの生産農家です。
ここで働くベトナムやインドネシアなどの実習生の中に、新たに加わった仲間がいます。
エミルさん(26)に、ジディオさん(30)。
そして、ミネルヴァさん(28)。
3人は、インド洋に浮かぶアフリカの島国、マダガスカルからやって来ました。
日本の約1.6倍の国土を持つマダガスカル。
主食はコメで、国の主要産業も農業ですが、高学歴の若者の失業率の高さが課題です。
解決のため、JICA=国際協力機構は、初めての人材育成プログラムをスタートさせました。
マダガスカルの若者に現地で日本語などを学んでもらった後、日本の農家へ派遣。その技術を再び母国で生かしてもらうというもので、日本側の担い手不足の解消も狙います。
特定技能の資格も得て、北海道へやってきた3人。
まずは、受け入れの仲介を担う会社のスタッフと住民票の手続きへ。
そして、お昼ご飯は3人が食べたかった日本のラーメンです。
エミルさん、ちょっと戸惑いの表情を浮かべていますが。
エミルさん(26)
「これ、初めて食べます。(メンマ おいしいですか?)まぁまぁです」
マダガスカルで農業技術者を養成する学校を卒業し、日本語能力試験の資格も持つ3人は、いわば「農業エリート」。
シングルマザーのミネルヴァさんは、4歳になる娘を母親に預けて日本にやってきました。
ミネルヴァさん(28)
「いろいろなことを農業について学びたいです。日本人と一緒に働くのもやりたいです」
学ぶ意欲の高さに受け入れ先の農家は。
三木田農場・三木田裕介社長
「日本語がすごい上手なので、日本人の人とかとちゃんとスキンシップをとりながらやってくれているのですごい助かってます」
ジディオさん(30)
「日本には農業の機会がとてもたくさんです。色々な種類がある。機械の使い方とか頑張ります。勉強したいです」
これから5年間、日本で働く予定の3人。
国の未来を背負った挑戦が始まりました。