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【備蓄米】中小事業者向けの受け付け開始 “古古古米”最低10トン・保管料・袋代・引き渡し後の運搬コストなど…小規模店では高いハードルも

2025年05月30日(金) 16時48分 更新

中小のスーパーや米店を対象にした備蓄米の随意契約の受け付けが5月30日始まりました。

北海道内からも一部のスーパーが申請した一方、思わぬ壁に直面して断念した業者もいます。

30日午後、小泉農林水産大臣が視察したのは、2021年産の備蓄米、いわゆる「古古古米」が保管されている神奈川県内の倉庫です。

小泉進次郎 農林水産大臣
「こんなに素晴らしい管理をしているのは、世界でもなかなかないんじゃないか」



農林水産省は、30日から中小の事業者向けに「古古古米」の備蓄米放出に向けた随意契約の受付を始めました。

店頭価格は5キロで1800円程度になると想定されています。



道内でも「卸売スーパー」や「ダイイチ」など、年間1000トン以上の米を取り扱うスーパーがさっそく申請しました。

卸売スーパー・津司達也 社長
「コメが高すぎて、少しでも安いのが欲しいという方もいらっしゃると思うので、それならある程度は手を出した方がいいのかなと思いました」



一方、思わぬ壁に直面する業者も。

北見市に2店舗を構える「トガシ米店」。



29日、農水省のオンライン説明会を聞きましたが…。

農水省の担当者(オンライン説明会の音声)
「トラックからの荷降ろしは、受け入れ側で行ってもらうことになる」

トガシ米店・富樫紀宣 社長
「ええ…(フォーク)リフトなかったらやばい…」

ネックとなったのは備蓄米の購入量です。

農水省が定めた購入量は最低10トン。



共同購入も可能ですが、小規模の米店にとってはハードルが高く、申請を諦めました。

トガシ米店・富樫紀宣 社長
「僕らは低温倉庫なんかないから、その辺が難しい。温度が高い時にコメが来たらどうなるか。“古古古米”で売ってそんなに売れるのか自信ないし…」



また、備蓄米の保管料や袋代、引き渡し後の運搬コストなどを自前で負担しなくてはなりません。

トガシ米店・富樫紀宣社長
「去年の8月に備蓄米を放出していたら、こんなことにならなかったのでは。僕らはじっと我慢で、高いコメを売るしかないのかな」



小さな町の米店では参入が難しい、備蓄米の販売。

自称・米担当大臣の目論見どおりに価格の安定化につながるのでしょうか。

北海道ニュース24