【スノーボード】W杯転戦のボーダーが園長先生に…7年のブランクを経て再び“本気”の世界へ「自分にしかできないことを」吉岡健太郎が目指す輝く大人の姿
2025年04月25日(金) 23時10分 更新

36歳で国内トップを走るアルペンスノーボーダーがいます。彼にしかできない異色のキャリアとは…
北海道長沼町で暮らす吉岡健太郎さん36歳。4人の子の父親です。
長女・小晴ちゃん(4)
「(パパのことどのくらいすき?)(手を大きく広げて)このくらい」
次男・晄之介くん(6)
「(パパの印象は?)性格悪い!(笑)」
職場にも大勢の子どもたち。富丘バオバブ保育園(札幌市手稲区)
吉岡さんは、札幌市手稲区にある保育園『富丘バオバブ保育園』の園長を務めています。
園児
「(毎日の保育園はどう?)楽しい!」
子どもたちの遊び場は、自然の中で伸び伸びと遊んでほしいと、雑木林を自らの手で開拓して作りあげました。
吉岡健太郎さん
「行動力と勢いで最初バーっとやるんですけど、後々考えるとよくここまでやったなっていうのが今まで結構多くて。生きる力とか子どもたちに明日もやろうねっていうのを本当の意味で伝えられる」世界を転戦していた頃の吉岡さん(2014年)
実は吉岡さん、9年前まで世界を渡り歩いていたプロスノーボーダーでした。
上富良野町出身、9歳で競技をはじめると、16歳では年代別日本一に。
高校卒業後は、プロの道に進み、2012年からは日本代表としてワールドカップを転戦していましたが…
吉岡健太郎さん
「五輪に向けて自分のイメージよりちょっと遅れてるなってなったときに、何か自分のこのエネルギー子どもたちのために使った方が生きてる意味あるかなっていうのがきっかけで」
2016年に競技を引退し、園長として第2のキャリアへ。
3年前に始めた「スキー保育」をきっかけに再びアスリートとしての自分が蘇ります。
吉岡健太郎さん
「今までそんなにスノーボードやっていたのに、全然生かしてないよねと。本気でこの近くの大人がやったときに、どういうことが起きるのかなっていうのは、やっぱ園児もそうだし自分の子にも、周りの人にもやっぱ見せたいなって」
「自分にしかできないことをやらなきゃ駄目だってなんか使命感が。そのときに現役復帰してみようかなって思ったんですよ。」
2022年、7年のブランクを経て再びスノーボード・アルペンの世界へ。
このとき178cm、99キロあったといいますが、減量、筋トレ、スポンサー探しとアスリートとしてほぼゼロからのリスタート。
それでもなんと2年目で、国内の頂点に上り、去年12月にはワールドカップの舞台にも舞い戻りました。
さらに、去年から長沼町でアマチュアからプロまで幅広く参加できる大会「マオイカップ」を開催。
プロの技術を体感し、競技の魅力や楽しさを伝える機会を自ら作りました。
異例の二刀流挑戦に妻・晴菜さんは…。
妻の晴菜さん
「最初やることなすこと大丈夫かよという感じだったけど、生き生きしているからいいかなって。生きている限りはこんな感じだと思うので」
今年2月、連覇をかけた全日本選手権には妻・晴菜さんと4人の子どもたちの姿もありました。
吉岡健太郎さん
「子どもって優勝以外よくわからないと思う、そこに上ってどうだっていう」
家族が見守るなか、始まった決勝の舞台。
吉岡さんは途中でうまくターンすることが出来ず、2位となりました。
妻の晴菜さん
「2位!負けました!」
長男・晴之介くん(8)
「もーう!」
吉岡健太郎さん
「スノーボードだったり、違うスポーツだったり何か、輝く大人になりたいなって思うような子どもが増えてくれたらいいかなって」
その思いは、自分の子どもたちにも…
吉岡健太郎さん
「ある程度すごいお父さんというのは子どもたちもわかっていると思うので、そこで一緒に滑ってあげたい」
大会終了後、吉岡さんのもとには長男の晴之介くんが、お父さんとスノーボードを滑りたいとお願いする姿がありました。
吉岡健太郎さん
「パパと?すべる?まじか…滑るか一本!」「これからもう一本行ってきます」