北海道内の「路線価」平均で10年連続の上昇も伸び率鈍化 専門家「札幌は(再開発が)ちょっと一息の側面か」 富良野はインバウンド需要で全国2番目の上昇率
2025年07月01日(火) 16時40分 更新
国税庁は1日、相続税などを計算するときの基準となる土地の価格、「路線価」を公表しました。
北海道内の平均価格は10年連続の上昇となった一方で、エリアの勢いともいえる伸び率は、鈍化しています。
路線価は国税庁が算定する主要道路に面した土地の評価額です。
髙橋智也 記者
「最も高かったのは札幌駅ステラプレイス前のあちらの通り、1平方メートルあたり774万円に達します」
北海道で1位は、常連の札幌駅南口「道道札幌停車場線通り」
2024年よりも6.3%、14年連続の上昇となりました。
札幌市中心部ではホテルや商業施設の開発が相次いでいます。
アパグループは、2027年春ごろ「500」の客室を備えるリゾートホテルを開業する計画です。
ホテル予定地そばの「北口西通り」の路線価は263万円で北海道2位。
堅調に推移するビジネスや観光需要が価格を押し上げています。
一方、伸び率が北海道最高となったのは…
富良野市北の峰町の「道道北の峰線通り」です。
1平方メートルあたり8万2千円で、インバウンド需要を追い風に前年比30.2%の上昇。
全国で見ても上から2番目の伸び率です。
北海道不動産鑑定士協会 横山幹人 理事
「富良野の知名度も徐々に向上していて、造成とかも行われていますし、国内外の観光客の増加、増大と同時に上昇基調は継続している」
北海道平均は、対前年比で2.4%の上昇と10年連続の増加となりました。
ただ、その伸び率は全国平均の2.7%を下回る結果に。
全国平均を下回ったのは過去10年間で初めてです。
北海道不動産鑑定士協会 横山幹人 理事
「札幌の中心商業地の上昇率が弱くなってきたので、北海道全体も上昇幅が弱まっている。札幌は(再開発が)ちょっと一息ついたっていう側面はあるのかなと思う」
専門家は、建築費の高騰や人手不足もあって、上昇率が鈍化しつつあるとし、今後もその傾向は続くとみています。