「モノ」よりも「心の支援」能登の子どもたちに笑顔を…僧侶が企画した特別な“家族旅行”「助け合うということが本当に大事な世の中」北海道赤平市
2025年09月02日(火) 19時10分 更新
北海道胆振東部地震からまもなく7年。
HBCでは今週、みなさんとともに防災・減災について考える「防災ウイーク」をお送りしています。
被災地の子どもたちを笑顔にしたい。
北海道のお坊さんの取り組みから「支援」のあり方を考えます。
8月、北海道赤平市のキャンプ場です。
夏休みを楽しむ家族連れの姿がありました。
笑顔で北海道のグルメをほおばる子どもたち。
「ロケット開発」を行う植松電機では、自分だけのロケットづくりを体験。
子ども
「飛ばしてみて、けっこう楽しかった」
目にも止まらぬ速さで空を舞うロケットに大興奮です。
夏の北海道を満喫する4泊5日の旅。
参加した9組の家族はみな、能登半島地震で被災した人たちです。
北海道赤平市の僧侶、西井芳准さん(55)らが企画し、家族を招待しました。
きっかけは、西井さんが能登で経験したボランティア活動でした。
2024年の地震で、26人が犠牲となった石川県穴水町。
発災から1か月後、西井さんは、胆振東部地震で被災したむかわ町の僧侶ら有志のメンバーで穴水町へ。
マッサージをしたり、子どもたちと遊んだり。
取り組んだのは「心の支援」でした。
今回招待された碓井冴弥さん(小3)も西井さんたちの支援を受けたひとりです。
碓井さんの母
「(北海道に)行きたくて行きたくて。避難所に1か月半ぐらいいて」
家は、今も半壊のまま。
仮設住宅などの建設は進む一方、子どもたちが安全に遊ぶ場所の再整備は後手にまわっているのが現状だといいます。
「モノ」よりも「心の支援」を。
穴水町での経験をいかし、子どもたちに思いっきり夏休みを楽しんでもらおうと家族を招待しました。
赤平仏教会 西井芳准さん
「私たちにできることは子どもたちを元気にすることで、地域全体を元気にすることができるのでは」
旅行には北海道東神楽町に住む海月千代美さんも加わりました。
東日本大震災で両親を亡くし、自らも被災。
その後、東神楽町に移住し西井さんたちと知り合いました。
今回は「支援者」として参加し、被災した後に習得したマッサージを行いました。
海月千代美さん
「自分たちのできることで周りに伝えていきながら支援活動を細々でも継続していくことで風化を防げると思う」
赤平仏教会 西井芳准さん
「いつ助けてもらう側になるか分からない中で、助け合うということが本当に大事な世の中になったのでは」
どんな場面で何を助けるのか。
旅行に参加した家族の笑顔が支援のあり方を考えるきっかけになりそうです。