トマトを食べて日焼けを防ぐ?『暮らしの神話』紫外線をめぐるウソ・ホントを専門家が解説、サングラスで全身のダメージを軽減?
2025年06月06日(金) 14時17分 更新
暮らしの中にあふれる「さまざまな情報」や「ウソか?ホントか?わからない知識」を、その道の専門家が解説。今回は、これからの時期に気をつけたい紫外線に注目します。
実はこの時期の紫外線は、真夏と同じくらい強いんです。いま対策をしないとシミ・シワ、さらには病気のリスクが高まってしまうともいわれています。そこで、問題です。
■【問題】高齢者は若者よりも紫外線の影響を受けやすい?
この神話はウソ?それともホント?街で聞いてみました。
・20代
「本当です。高齢者の方が皮膚が弱いから、シミが多いっていうのはあると思います。僕、日焼けしてますけど、シミできてないので」
・60代
「ウソかな。若い人の方が新陳代謝も良いので(紫外線を)どんどん受けやすくなるんじゃないかな」
今回、解説するのは、人体の仕組みを知り尽くすスペシャリスト、北海道文教大学、當瀬規嗣教授です。
【解答】
・當瀬規嗣教授「これは本当です」
「お年寄りも若い方も、影響の度合いは同じくらい。だけどそこから皮膚は回復するわけですけど、高齢者の方が、皮膚が残念ながら老化してくるんですね。そうすると、皮膚って少なからず(紫外線で)ダメージを受けるんですけど、そのダメージから回復する能力が落ちてくるんですね。それでそのダメージが皮膚に蓄積しやすくなると、皮膚のダメージがたまってくるとガンとか起こりやすくなります」
皮膚の回復能力が衰えて、ダメージが蓄積されていくことで最悪の場合、皮膚ガンのリスクも上がってしまうと指摘します。
・當瀬規嗣教授
「お年寄りの方の方が『もう年取っちゃったからいいや』『どうせやっても変わらないだろう』みたいな考え方になりがちですが、お年寄りはそこを警戒した方が良いと思います」
■【問題】紫外線の量は年々減少している?
この神話、ウソ?それともホント?街で聞いてみました。
・70代
「ウソ。それはウソだと思う。オゾンホールとか地球温暖化とか地球の環境が変わって来て、紫外線の量が多くなってきているのは聞いたことがある」
・10代
「ウソですね。減少だよ。でも本当じゃない?」
【解答】
・當瀬規嗣教授「これはウソになると思います」
「紫外線の量はむしろ少しずつ増えているのではないか。紫外線が測れるようになったのはここ50、60年ぐらいなので、大気汚染がたくさんあったころで粉塵とか物質がいっぱい漂っていた時代だったので、そういう時って紫外線がそれにぶつかって、地上まで落ちてこないんですよ。それが今、公害とか大気汚染とかの対策が進んできて、空気が澄み切ってきているので、太陽からの紫外線が増えたというワケではなくて、途中でカットされる紫外線の量が減った」
つまり、空気中のちりや大気汚染が減ったことで、地上に届く紫外線量が増加したと考えられているんです!
■【問題】サングラスをかけると皮膚のダメージは減る?
この神話、ウソ?それともホント?街の声は…
・60代
「これはウソ。サングラスは目だけを保護するってことだけだから皮膚までは」
・50代
「減るんじゃないですかね。そんなのなんかでみたことありますけど」
・60代
「サングラスをかけている目の周りの皮膚のダメージは減る、それ以外は減らないと思う」
ではスタジオのアンヌさん!どちらだと思いますか?
・アンヌ遥香さん
「私は本当だと思います。目からメラニンがうんぬんということをきいたことがあるので、私は20代からずっと冬でもかけています。その努力を無駄にしたくない」
【解答】
・當瀬規嗣教授「本当だと思います。ダメージは減ります」
「目の中に紫外線が入ってくるのは、通常当たり前に入ってくるんですけど、その紫外線が網膜に影響すると、脳の神経を介してですね皮膚にメラニン色素をたくさん作れと命令がでることに。(体)全部をカバーして目にだけ紫外線を当てても、色は黒くなるっていうのは人間の仕組みにあるんですね」
つまり、肌に直接日光を浴びていなくても、目が紫外線の刺激を受けると、脳を介して全身にメラニン色素が分泌され、肌が黒くなるんです。
ちなみに目に紫外線の影響を受けると、疲労度が高まるともいわれているんです。
これを予防するのに大切なのが、サングラス。
ポイントはUVカットされているものを選ぶこと。色は何色でも問題ないそうです。
■【問題】トマトを食べれば日焼けに効果がある
この神話、ウソ?それともホント?街の声は…
・60代
「本当かな。トマトは食べると結構冷えますよね。体も冷えて日焼けはしにくくなるのかな」
・40代
「ウソ。野菜が効果あるのは分からない。聞いたことないですね」
【解答】
森田絹子キャスター)
実は…本当なんです。トマトには、強い「抗酸化力」があって、皮膚を修理して再生能力を高めるビタミンA・C・Eなどが豊富にまんべんなく含まれているんです。
さらに、最近の研究でトマトに含まれるリコピンという成分が日焼けを防ぐ効果があるという論文も出されているので、その効果が期待されるとも言われているんです。
當瀬教授によりますと、大事なのは食べる量ではなくて「常に摂ることが重要」ということです。
溜まることもできないので、今日一杯食べたから、しばらくは食べなくて大丈夫ということはないので、毎日の食事のバランスが大事とのことです。
これからの季節、紫外線には気をつけたいですね。ただ、1日5分~10分程度の日光浴なら、骨の健康維持などメリットもあるそうです。紫外線にまつわる知識をうまく活用していきましょう!