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今年の夏は平年より暑くなる予想…初期症状の対応の遅れが死につながる「熱中症」企業には罰則付きの対策義務 農園経営者「緊張感を持って従業員を守る」

2025年05月28日(水) 17時35分 更新

5月28日の道内は各地で夏日となりました。これからの時期、気をつけなくてはならないのが熱中症です。

◆今年は平年より暑い夏に…

2025年の北海道の夏は、3か月予報によると、平年より気温が高く「暑い夏」になりそうです。



日頃、暑さの中で仕事をする人たちは…

・30代男性
「車関係でふだんの格好はつなぎが多い。汗だくで仕事しています」

・20代女性
「農業系ですごい暑いです。もう真っ黒に。とりあえず塩分チャージのあめをなめたり」

働く人を熱中症から守るため、6月1日の法改正で企業に熱中症対策が義務化されます。

多くのスタッフを抱えるイチゴ農園では…。

・NexPeak 片澤英幸取締役
「罰則をかけて厳しくしても人の命を守るという面ではいい」

熱中症対策を怠ると罰金や拘禁刑も…。

この夏、変わる「熱中症対策」を「もうひとホリ」します。



◆初期症状への対応の遅れが死につながる

職場での熱中症による死傷者は増加傾向で、2023年から1,000人を超えています。

このうち死亡した人は、3年連続で30人に達していて、死亡した原因のほとんどが「初期症状が出た時の対応の遅れ」でした。

そこで、6月から企業の義務となる熱中症対策は、まず、「報告体制の整備」

熱中症の恐れがある労働者を見つけた人が、すぐに報告できる仕組みを作ります。

そして、「実施手順の作成」

作業をやめて体を冷やす、医療機関に搬送するなどの手順を、あらかじめ作っておかなくてはいけません。

こうした対策を怠った場合、6か月以下の拘禁刑、または50万円以下の罰金が科されます。



◆農園のハウスは40℃超になることも

・NexPeak 片澤英幸取締役
「(義務化は)今回初めて耳にした」

ツヤツヤのイチゴ「紅ほっぺ」を収穫しているのは、上川の比布町の農園「NexPeak NANA PLAZA」です。

1年を通してイチゴを栽培していて、パートを含め13人が働いています。

・NexPeak 片澤英幸取締役
「外気温20℃くらいでも、ハウスの中は30℃超える」



夏場は40℃を超えることもあるため、ハウスの中の温度は、こまめにチェックしています。

・NexPeak 片澤英幸取締役
「ハウス自体が店舗を併設しているので、店はエアコン効いているので(体調が悪いときは)休憩してもらう」

ハウス内には水道が引いてあり、熱中症の恐れを感じたら体に水をかけるなどの対応も心がけています。

・NexPeak 片澤英幸取締役
「緊張感をもって従業員のことを考えながら、(従業員が)具合悪くならないような対策を打たなければと常日頃思っている」

◆ホームセンターには「熱中症対策コーナー」

札幌市内のホームセンターには、早くも「熱中症対策コーナー」ができていました。



熱中症対策の義務化を前に、企業からの問い合わせもあるといいます

・ジョイフルエーケー屯田店 永島一保ブロック長
「先週から(熱中症対策の)売り場を作っています」
「こちらのネッククーラーは、水を入れて冷蔵庫で冷やしておくこともできます。一番の大きなところは、外れます」



首にあてる氷嚢の部分を取り外すと、おでこや、わきの下を冷やすこともできます。



こちらは「危険温度を知らせるアラーム」です(黒球式熱中アラーム5,478円)。

体のどこかに携帯していれば、熱中症の危険温度に達したときに、画面やアラームで知らせてくれます。

そして、塩分補給ができる、その名も「はたらくひとの塩あめ」は、この大容量です!(はたらくひとの塩あめ1キロ1,922円)。

・ジョイフルエーケー屯田店 永島一保ブロック長
「熱中症対策として企業が買っていきます。容量1キロです」

体ごと涼しくなる扇風機を内臓したベストなどもあり、企業関係だけでなく、一般客も買い求める人が増えているそうです。

・ジョイフルエーケー屯田店 永島一保ブロック長
「犬の散歩とかそのときに着ていただいて熱中症対策を」

ここ1か月間の売り上げは、2024年より3割以上増えていて、暑い夏への備えは、もう本格化しています。



▼熱中症が疑われる症状(厚労省)▼

自分の体調
・手足がつる
・立ちくらみ・めまい
・吐き気
・汗のかき方がおかしい

ほかの人の様子
・イライラしている
・フラフラしている
・ボーッとしている

など

北海道ニュース24