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【備蓄米】放出も価格下がらず…専門家は7~8月に価格上昇の可能性を懸念 地方スーパーは備蓄米集荷業者から新規取引を拒否される実態も

2025年04月15日(火) 16時26分 更新

政府が放出した備蓄米が店頭に出回り始め2週間。
やっぱり、コメの価格が下がりません。
スーパーの売り場から切実な訴えです。

北海道内有数のコメどころ、北海道東川町で行われたのは、豊作を祈ってもみをまく「播種祭」です。



5月上旬から始まる田植えを前に、毎年行われています。

札幌市内のスーパーです。

今年は、消費者にとって最も祈りたいのは、豊作とともに価格の安定なのかもしれません。


「(価格が)元に戻ってほしい。(5人家族の)お弁当もあるので」



「普段かなり買いますね。消費が激しいので。(1人で)1食2合ぐらい食べるんで。コメ安くならないかなと思うけど、しかたない」



備蓄米が放出されても、コメの価格が下がる気配はありません。

14日に発表された全国のスーパーでのコメの平均価格は、備蓄米の店頭販売が始まった週でしたが、5キロあたり4214円。



先週より8円高くなり、14週連続の値上がりとなっています。

こちらのスーパーでは、備蓄米の集荷業者に仕入れたいと掛け合いましたが、「新規の取り引きはしない」と断られたといいます。

キテネ食品館・中塚誠社長
「(備蓄米を)大手スーパーだけが扱えるだけというのは、僕ら中小としてみたら不公平感を感じる。(国は)幅広く、いろいろなスーパーに置けるように取り組んでいただきたい」



このスーパーでは、コメ5キロを3500円から4000円前後で販売していますが、今後、備蓄米が入荷できたとしても、コメ全体の価格は下がらないとみています。

キテネ食品館・中塚誠社長
「備蓄米を使ったコメは安く販売できるが、そのほかのコメは問屋も在庫量が少なくなってきているので、値下げよりも現状維持、値上げとなってきているのが今の現状」

政府は、備蓄米を新米の出る夏まで毎月、放出する方針ですが、専門家は政府の対応に疑問を投げかけます。



コメ農政に詳しい宮城大学・大泉一貫名誉教授
「(備蓄米を)小出しにするよりは、足りないと言われている(24年産の新米が)40数万トン。さらには、それぞれの事業者が多めに保有している分を含めて60万トンぐらいを放出するということが効果があるのではないか」



さらに、このままの状況が続くと、コメの価格はむしろ上昇するおそれがあると指摘します。

宮城大学・大泉一貫名誉教授
「民間備蓄はすでに約45万トン不足してますから、やはり端境期(7~8月)にコメ不足が再燃する可能性があるので、価格が高くなる可能性が非常に高い」



備蓄米放出の効果は現れるのか。消費者は価格の安定を祈っています。

北海道ニュース24