飲酒11時間半以上の男性の車が反対車線に…正面衝突で犠牲になった24歳男性の両親「人殺しとしか言いようがない」男性の処分保留に「本人だとバレなければ楽しく過ごせる」
2025年09月22日(月) 20時07分 更新
北海道小樽市の国道で、当時大学院生だった男性(当時24)が、飲酒運転の車に正面衝突されて死亡した事故から1年。
亡くなった大学院生の両親が悔しい胸の内を明かしました。
田中友規さんの母
「どれだけ泣き叫んだところで、本人はもう二度と目を覚ましてくれないので。もう虚しさと悔しさだけ」
1年前の9月22日、事故は起こりました。
ドライブレコーダーに記録された映像には、片側2車線の中央寄りの車線を走る白い車が突然、反対車線にはみ出します。
正面から衝突された黒い車。
この車を運転し死亡した、札幌市の大学院生・田中友規さん(当時24)です。
釣りが大好きで、この日も翌週、友人と行く釣りの下見に行った帰りに事故に遭いました。
田中さんは当時、化学系の研究職を目指して就職活動中でした。
田中友規さんの母
「とにかく勉強、勉強って頑張っていた子なので。あの子の努力が就職という形で実を結ばなかったのが本当に悔しい。」
一方、事故を起こしたのは男性会社員(当時32)。
警察によりますと事故を起こす2時間前まで酒を飲んでいて、飲酒の時間は11時間半以上に及んでいました。
道警によりますと飲酒運転の件数は3年前まで減少傾向でした。
しかし近年は増加傾向で、今年はすでに54件も発生しています。
髙石洋子さん。22年前、当時16歳の息子・拓那さんを飲酒ひき逃げ事件で亡くしました。
以来、学校や企業で命の大切さや車を運転する際の自覚について講演をしています。
髙石洋子さん
「飲酒運転ってなくせると私は思っている。お酒を飲んだら車両を運転しなきゃいいだけのことを、それをできないでいる大人の人たちに気づきを与えるのは、周りにいる人たちの力もすごく必要だと思っている」
事故の犠牲になった田中さんの両親が、今思うことは…。
田中友規さんの母
「ただ一つ。人殺しとしか言いようがない」
田中友規さんの父
「事故を引き起こした方は処分保留ですから、普通の方々と一緒、時間止まっていないんですよ向こうは。こっちは止まっているんです」
田中友規さんの母
「うちの子はできなかったこと全て奪っておいて、いま彼は本人だとバレなければ楽しく過ごせる。すぐ社会に出てくるような世の中は納得いかない」
今回の飲酒運転事故で田中さんを死亡させた男性会社員は現在、処分保留で釈放されています。
これは、拘置期間をフルに使って捜査しても起訴できる証拠が得られなかったことを意味していて、今後の捜査の厳しさを表しています。