ニュース

Official Account

「謝罪しなさいよ、今すぐ持ってきてよ」クレームなのかカスハラなのか?従業員やスタッフを守るため新システムを導入する企業も

2025年06月19日(木) 21時57分 更新

客からの不当な要求や暴言、迷惑行為などのカスタマーハラスメントを防止するための条例が、北海道内でも4月から施行されました。

いま社会問題となっている「カスハラ」対策の現場を取材しました。

■「何で話わかんねぇんだ」などと患者から暴言

・カスハラ体験者
「『待ち時間が長い』とか『どうなってるんだ』というのを強い口調で言われたりとか。『バカ』とかもやはりありますね。『何で話わかんねぇんだ』とか」



カメラの前で「カスハラ」の実態を証言したのは、道内の病院の検査部門で働く男性です。

月に1、2回は、患者から暴言を受けることがあるといいます。

・カスハラ体験者
「なんでこの検査をやるんだみたいな、やはり納得ができていないところで、非常に口調が強くなるんじゃないかなと。カスハラと正当な要望というのが、なかなか線引きが難しいなと」

客からの不当な要求や暴言など、近年深刻化している「カスハラ」の問題。

■4月、北海道で「カスハラ防止条例」施行

道内では、4月に東京と並んで全国初となる「カスハラ防止条例」が施行されました。



国会でも6月、「カスハラ」防止の対策を、企業や自治体に義務付ける「改正労働施策総合推進法」が成立するなど、「カスハラ」への対処が全国的な課題となっています。



■コールセンター運営会社では「カスハラ対策」システムを導入

道内約80の企業から委託を受けて、コールセンターを運営する会社「ビーウィズ」です。



6月9日、札幌のオフィスでこの会社が開発した「カスハラ」対策システムのデモンストレーションが行われました。

・客
「美容液が届いたけど欲しいのは化粧水なの。まず謝罪しなさいよ。今すぐ持って来てよ」



・オペレーター
「申し訳ございません」

コールセンターでのやりとりが瞬時にテキスト化され、クレームに繋がる発言は、赤字で表示されます。



・客
「だからあんたじゃ話にならないの。上司に代わって」

・オペレーター
「申し訳ございません、このまま少々お待ちいただけますでしょうか」



・管理者
「お疲れ様でした。僕のほうからかけ直しますので、かけ直しのご連絡をしてもらえますか」

この「OmniaLINK」というシステムにある「キーワードアラート機能」で、特定のキーワードが出てきたら文字が赤く表示され、客とオペレーターの間で何が起きているか、管理者はリアルタイムで把握することができます。

・ビーウィズ 長澤祐介部長
「画面で一目で今の状況が分かるということで、よりフォローが早くなったのが一番いい点。オペレーターのメンタルという意味では、会話の終了したあとの面談とかフォローも重要な部分と思っている」



■カスハラ体験者「マニュアルが必要」

こうした企業側の「カスハラ」対策に、病院の検査部門でたびたび患者から暴言を受けたという男性は。

・カスハラ体験者
『やはりマニュアルが必要なのかなと。これぐらいで言っても、取り合ってもらえないんじゃないかと思うことが問題かと。基準があればまずは判断しやすいのかな」

「カスハラ」から従業員やスタッフを守るため、企業側にはソフトとハードの両面で試行錯誤が続いています。

北海道ニュース24