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「売るほどある」コメ失言で大臣交代劇…石破総理「5キロ3000円台でなければ」消費者は納豆、もち麦で“満腹感”主食をパンにチェンジする動き加速

2025年05月22日(木) 21時38分 更新

コメの価格安定は実現できるのでしょうか。

・小泉進次郎 新農水大臣(21日総理官邸)
「『コメ担当大臣』だというような、そういった思いで集中して取り組んでいきたい」

国の農業政策をつかさどる農水大臣の交代劇。発端はこの人の発言でした。

・江藤拓 前農水大臣(18日佐賀市)
「私もコメは買ったことありません、正直言って。支援者の方々がたくさんコメをくださるんですね、まさに売るほどあります」

コメの高止まりが続くなか、批判が集中。

失言で辞任に追い込まれた江藤元農水大臣に変わって、21日、小泉進次郎新農水大臣が就任しました。

・札幌市内の消費者
「発信力があるから頑張ってほしい。やっぱり4000円は切ってほしい」



「変わらないと思うよ…」

『コメ大臣』は、コメを安くしてくれるのか?それまでの家庭の防衛策は?

・石破茂総理(21日党首討論)
「コメは(5キロ)3000円台でなければならない。4000円台ということがあってはならない。1日でも早くその価格を実現する」

今週発表された、全国のスーパーでのコメの平均価格は5キロあたり4268円。

政府はこれまで、3回の備蓄米の放出を行いましたが、2024年の2倍以上の高値が続いています。

◆ご飯を節約し、納豆で満腹感?

22日、札幌市内の食品スーパーです。

米は全国平均と比べると、グッと安く提供していますが、社長の中塚さんは、消費者のニーズに変化を感じています。

・キテネ食品館月寒店 中塚誠社長
「納豆コーナーです。今年に入ってからすごく売れ行きがいいんですよね」

売り上げは、4月と比べて5%から10%増加。20%も伸びている商品もあるということです。



・キテネ食品館月寒店 中塚誠社長
「かさ増しですね、ふだんお茶碗に(ごはんを)8分目9分目まで入れていたものを、6~7分目にして、そこに納豆を入れることによって満腹感を出す」



今年3月の札幌市内の納豆、3個入り1パックの店頭価格は109円。2024年の5月より5円高いものの、お米に比べたら、ずっとお手頃。ごはんの割り合いを減らし、納豆をかさ増しすることで、ごはんを節約しようという、家庭の防衛策が見えます。



・消費者
「納豆食べてますね。2パックくらいは冷蔵庫に(ストックが)ありますもんね、気づいたら」

「ごはんにかけて食べるから(お腹は)満たされる。でも、ごはんがはかどるよね~」



◆“もち麦”も売れ筋に

お米コーナーでも、こんな変化が…

キテネ食品館 月寒店 中塚誠社長
「特にもち麦がすごく売れている。ブレンド米など安いお米を買って、もち麦を入れてふっくらさせる。かさ増しもそうですし、ごはんの粘りとか、もっちりする」

さらに、生ラーメンや蒸しめんといった「めん類」の売り上げも好調。

ごはんの量を抑えても、満足感を得られる商品のニーズが高まっています。

◆備蓄米の売り渡し方法を「随意契約」へ

小泉新大臣が打ちだした策が、備蓄米の売り渡し方法の見直しです。

小泉新大臣は「今までの入札方法を根本的に変え、随意契約というかたちで、コメの価格が下がるという方向性に向けた第一歩を示していきたい」と述べています。

これまで備蓄米は、複数の業者による「競争入札」で価格が決まっていました。

一方「随意契約」は、入札をせずに特定の業者と契約を結ぶことになります。

政府が任意に業者を選ぶことができるので、価格のつり上げを抑制できるのではと期待されます。



ただ、どんな業者と契約を結ぶのか不透明な部分もあります。

◆コメからパンへ、主食チェンジの動き

こんな消費者も増えています。

道民におなじみの「ペンギンベーカリー」です。

・ペンギン運営本部 直営課 塚崎佳民課長
「前年比115%ほどの売り上げの進捗があり、特に食パンの需要が非常に高まっています」

コメの価格が上がり始めた、去年夏ごろから食パンやバーガー、サンドなどの惣菜パンを買い求める客が増えているといいます。

・客
「お米は全然買ってないですね、ちょっと高くなってるので。パンを多く買うようになったと思います」



道産小麦を使った食パンは1斤380円。コメからパンへ、日常の主食をシフトチェンジする動きが出ています。

・ペンギン運営本部 直営課 塚崎佳民課長
「先に小麦がほうが値上がりしたが、価格の上昇が低いパンの需要に客がまた戻って来たなと感じている。昨年の秋から冬にかけて以降、いままでにないお客様の需要が高まっている」



コメ高騰が続けば、コメ離れにつながることもあるかもしれません。

私たちの「主食」であるコメの安定供給に向け、政府の手腕が問われます。

北海道ニュース24