電柱撮影ゲームで社会に貢献 効率よく電柱を健康診断「ピクトレ」が北海道で初開催へ 150万本ある電柱の点検作業を効率化
2025年06月18日(水) 16時27分 更新
マチの至るところにある電柱の写真を撮りまくって「報酬」をゲット。
そんなゲームイベントが、7月、北海道内で始まります。
ゲームイベントに参加すると社会貢献につながるということですが、どういうことでしょうか?
北海道函館市の観光スポット「ベイエリア」です。
麻原衣桜記者
「ありました!ありました!こちらが日本最古のコンクリート電柱です。普段よく見る電柱とは違って四角いです」
設置は102年前の大正12年。
当時の電柱は木製が主流でしたが、火事が多かった函館市ではコンクリート製がいち早く取り入れられました。
頑丈な造りで今も現役ですが、北海道内には現在、電柱が約150万本もあり、管理は大変です。
北海道内の配電・送電を担う北電ネットワークは、電柱の点検を、地域の担当者が1人で目視や双眼鏡を使って確認しています。
「柱が腐食していないか」「ツタが張っていないか」など細かくチェックしますが、150万本すべての電柱の点検を終えるまでには2年近くかかるうえ、人手不足で担当者の負担が増しています。
効率よく電柱を「健康診断」できないか。
出されたアイディアが…
麻原衣桜喜記者
「撮れました!電柱の写真ゲットです」
記者が体験しているのは、電柱撮影ゲーム「ピクトレまちバトル」というスマホで参加する街歩きイベントです。
遊び方は簡単。スマホにアプリをインストールし、表示される地図を見て、目標の電柱を探します。
電柱を見つけたら、指定されたアングルで撮影すればミッション達成。
撮影した電柱の本数やランキングに応じて、ギフト券などと交換できる「報酬コイン」が手に入る仕組みです。
一方、参加者から送られてきた電柱の写真は、北電ネットワークに共有され、点検や管理に活用されます。
アプリを開発したDEA 吉田直人CEO
「インフラの点検を遊びながらゲームを使ってやる。今までにないゲームだと思っている」
関東や東北で開催されたイベントでは、参加者の写真から電柱の傾きが見つかり、事故を未然に防いだケースがあったということです。
北電ネットワーク 道南統括支店 中村信吾支店長
「設備に役に立つ情報を得たいという気持ちはもちろんありますが、参加者には純粋にゲームを楽しんでいただければありがたい」
街歩きを楽しみながらライフラインを守る。
新しい社会貢献のカタチに観光客は…
東京から
「楽しみながらできるならいいと思います。子どもと一緒にできそうですし」
千葉から
「スマホだと簡単にできる。誰かのためになるならいいことだと思います」
イベントは、7月12日から北海道全域を対象にスタートし、誰でも参加できます。
撮影マナーを守って楽しく、電柱を撮り尽くしましょう。