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【参議院選挙】少子化高齢化と人口減少の現場…30回目の節目でそば祭りに幕を下ろす幌加内町、一方「社会増」を達成した芽室町で起きていること

2025年07月16日(水) 19時37分 更新

教育やインフラの維持などあらゆる面に影響を及ぼす人口減少。参院選の争点にもなっているこの問題、北海道でいま何が起きているのか堀啓知キャスターが現場を歩きました。



■30回目の節目で幕を下ろす「新そば祭り」

堀啓知 キャスター
「北海道そして日本を代表するそばどころ幌加内町に来ています。こちら見渡す限りのソバ畑なんですが本格的な収穫は来月以降になります」

そばの作付け面積日本一。北海道上川郡の幌加内町です。

堀啓知 キャスター
「(そばを食べて…)うん、おいしい。暑い日に最高です。」



自慢の「幌加内そば」を一躍、全国区に押し上げた立役者が「幌加内町新そば祭り」です。

マチの活性化や観光振興などを目的に1994年に始まった祭りは毎年4万人以上を集める人気イベントとなりました。

今回で30回目の節目の年を迎えましたが、実は、2025年で祭りは幕を下ろします。



幌加内町そば祭り 田丸利博 実行委員長
「毎年”人口減少”。当時から頑張ってくれてる人も32歳年をとって、スタッフを維持するのがかなり厳しい」

幌加内町の人口は1221人と、祭りが始まった年から半減。

町立高校でそば打ちの授業を必修にするなど、そばを通じたマチづくりも進めてきましたが厳しい状況が続いています。

急激に衰退するマチ…それでも「そば祭り」は形を変えて残したいとしています。

幌加内町そば祭り 田丸利博 実行委員長
「身の丈に合った運営を継続していく。私の気持ち的には何かしらのかたちでしなければいけないと思っている」

祭りに加え、マチの行く末も岐路に立たされています。


HBCが北海道選挙区の12人の候補に「北海道の未来」のために一番力を入れるべき政策を聞くと7人の候補が「一次産業」と答えています。



■北海道の未来のために一番力をいれるべき政策は?

◇自民・現 高橋はるみ候補(71)複合的な底上げ

◇参政・新 田中義人候補(53)1次産業

◇保守・新 小野寺秀候補(61)1次産業

◇諸派・新 後藤朋子候補(55)1次産業

◇共産・新 宮内史織候補(33)人材

◇自民・現 岩本剛人候補(60)観光

◇諸派・新 稲原宗能候補(36)スマート農業

◇国民・新 鈴木雅貴候補(33)1次産業

◇立憲・現 勝部賢志候補(65)1次産業

◇維新・新 オカダ美輪子候補(45)1次産業

◇諸派・新 高杉保次候補(56)1次産業

◇れいわ・新 野村パターソン和孝候補(40)まずは1次産業への投資


地域をどう活性化するか、石破内閣の看板政策「地方創生2.0」では若者や女性にも選ばれる地方を掲げていますが、そんな「若者」の活動が実ったマチが北海道十勝地方にあります。

■人口「社会増」を達成した芽室町“若者が挑戦しやすいマチ”

もうすぐスイートコーンの季節がやってくる、帯広市のとなり、芽室町です。



2024年度人口の転入が、転出を上回る「社会増」を達成しました。

要因のひとつに挙げられるのが「若者が挑戦しやすいマチ」だということです。

9年前に移住してきた川上徹さん39歳。



十勝地方ならではの自然が楽しめるマルシェの開催や中心部の空き家を自ら改修して、若者が集えるコミュニティスペースの立ち上げなどを行っています。



川上徹さん(39)
「2人子育てしていて彼らの地元が芽室町になったことで、『芽室町地元なにもなかった』『シャッター街でつまらないマチ』とは思ってほしくない」

活動を支えているのは、芽室町が町民とマチの未来像を共有するために4年前に作った「ビジョンマップ」です。

地域活性化に向け「これをやりたい」という若者に行政は補助金の申請支援など手厚いサポートをしています。



芽室町魅力創造課 渡辺浩二さん
「役場としては寄り添いながら役場として支援できる形として、いわゆる後方支援と言うか、主役は町民の方で生き生きとチャレンジして実現していくのが理想」

こうした活動が評価され町は、魅力的な地域活性化を行う自治体に贈られる賞で金賞を受賞。

一方でその魅力を持続させるためには課題もあります。

川上徹さん(39)
「まちとか人への思いで頑張ることはできるが、どうしてもボランティアになる部分が結構多い。補助金は事業そのものに使われるため、活動する『人』も報いてほしい」

民間の「やる気」だけに頼らない地方創生のあり方とは。

「消滅しない」まちづくりへの方策が国に求められています。

北海道ニュース24