北海道のニュース

登山時の必需品『クマスプレー』広がるレンタルサービス 1本1~2万円と高額で飛行機への持ち込み禁止という弱点から需要高まる

2025年08月22日(金) 17時55分 更新

クマによる事故が続く中、クマを撃退する効果のあるスプレーを登山者向けにレンタルするサービスがいま、増えています。

クマに遭遇し、襲われそうになったときに有効なのが…。

シュー「クマスプレー」です。

唐辛子の辛み成分でクマの動きを鈍らせ攻撃を回避する効果が期待されています。



クマによる人身被害が増える中、2024年7月、東京の会社が北海道幕別町を拠点に始めたのが、クマスプレーのレンタル事業です。



ホームページで事前予約すると1泊2日、3850円から利用者が指定したホテルやレンタカー店までクマスプレーを届けてくれます。



クマスプレー配送拠点(ほなみマルシェ)藤原昇さん
「毎日2~3件くらいは注文をいただいています」



会社の代表で東京に住む白岩慎隆さんは、10年ほど前から北海道の大雪山系の山を登るようになり毎年のようにクマに遭遇していました。



しかし、道外の登山者にとってクマスプレーの購入はハードルが高いと話します。

『山日和』白岩慎隆代表
「クマスプレーを持って行こうと思ったときに飛行機で持って行けないというのがあって、私も困った経験があって、同じように思っている人が多いんじゃないかと思って始めた」



クマスプレーは1本あたり1万円から2万円と高額なうえ、飛行機への持ち込みが禁止されていることから、道外の登山者らを中心にレンタル需要が高まっているのです。



『山日和』白岩慎隆代表
「去年始めたときは延べ100本くらいが出ていたんですが、今年は、7月時点で100本は超えていて、いま現在延べ140本くらい予約も含めて入っています」



クマスプレーのレンタルは、道内のリサイクル店でも始まっています。

「なんでもリサイクルビッグバン」では今年4月から、北海道と東北あわせて21店舗でレンタル事業を開始。

料金は1泊2日で1000円で1泊増えるごとに500円が追加されます。

これまでに、およそ300件の貸し出しがあり、そのうちの8割が道外の利用者で、空港から近い千歳店で借りる人が多いということです。

なおクマスプレーのレンタルは、国定公園のビジターセンターなどでも行っています。

クマスプレーは決して安全を保証するものではありませんが、もしもに備えて山に行くときには、必ず持参するようにしましょう。

北海道ニュース24