アンヌ遙香さん「我が家もするべきなのかな」若者だけでなくシニア世代もジワリ“固定電話じまい”一方で家庭用ファックス必要という意見も
2025年05月22日(木) 19時49分 更新
かつて、どの家にも置かれていた固定電話「いえでん」。
高額な電話加入権の購入が必要だった固定電話は、財産でもありステータスのひとつとされていた時代もありました。
◆若い世代は「固定電話」不要
しかし、携帯電話やスマートフォンの普及に伴い、若者世代の多くが固定電話を必要とはしていないようです。
・10代ひとり暮らし
「(家に固定電話は?)置いていないです。スマホがあるのでいいかなと」
・20代実家暮らし
「(ひとり暮らしするならつける?)絶対つけないと思います。そもそも携帯で電話することも自分はないので」
総務省の調査では、65歳以上のシニア世帯の固定電話保有率は2009年には99.2%でしたが、2023年には82%まで減少しています。
◆「固定電話」を残すシニア世代の事情
シニアの人材派遣を行う「高齢社」が、登録者約800人について調べてみると…
・シニアの人材派遣 高齢社 村関不三夫代表
「携帯は持っているけど、固定電話を持っていない人が約17%いた」
固定電話じまいについて、札幌の街でも聞いてみると、固定電話じまいをしたくてもできないという事情も見えてきました。
・外したいけど残している(70代)
「(家に固定電話は?)ありますよ。私も歳だけどもっと歳の親戚が、スマホとかの番号言ったって理解してもらえない」
・仕事柄外せない(60代)
「商売やっているので、どうしても番号残しておかないといけないので。商売やめたら外したいよね」
一方で2、3年前に固定電話じまいをしたというこちらの夫婦は。
・固定電話じまいした(60代)
「電話機壊れたから。ファックスと一緒の電話機だったが、ファックスの機能が壊れたので、これでもう使わないかなとやめた。電話はほとんどスマホで済んじゃっているので、ファックスを使わないと固定電話いらないかな。セールスの電話がかかってくるくらいでこちらからかけることはほとんどなかったですね」
・シニアの人材派遣高齢社 村関不三夫代表
「結局かかってくる電話が迷惑電話、営業の電話が多いもんですから、ほとんど固定電話には出ないと」
◆シニア世代もジワリ「固定電話じまい」
森田絹子キャスター)
総務省の通信利用動向調査によりますと、2009年時点で20代では半分以下に固定電話設置率は下がっていましたが、65歳以上の世帯では99%以上と非常に高い数字を維持しています。
2023年になると20代でわずか5.4%、そしてついに65歳以上でも82%まで減少しています。
シニア世代でも「固定電話じまい」は増えているようです。
◆アンヌ遙香さん「我が家も固定電話じまいするべきなのかな」
堀啓知キャスター)
まだこれだけいるとも言えますが、100%近かったこと考えるとここまで下がっているんだと見ることができます。
満島てる子さん)
私は自分の家には設置していなくて、親や親せきは固定電話を置いているところが多いですけれど、ほとんど使わないですね。スマホをみんな持っているので、最近は親のスマホにしかかけたことがないですね。
堀啓知キャスター)
実家の固定電話に電話することも?
満島てる子さん)
ないと思います。商売上、(自分の)お店にも固定電話がありますけれど、最近はSNSとかで予約いただくことが多いので。電話で予約が来ると懐かしい気持ちになりますね。
堀啓知キャスター)
生活上ほとんど固定電話を使っていないと。
アンヌ遙香さん)
実家に固定電話はあるんですけれど、セキュリティー対策等もあり、ずっと着信音を消してしまっていますね。だから、例えば父の携帯に電話して出ないときに家電に電話しても誰も出てくれないんですよね。全く使われていない。我が家も固定電話じまいをするべきなのかなと思っています。
堀啓知キャスター)
我が家にも、実家にも固定電話はあります。スマホにかけても出てくれないけれど、家の固定電話にかけると出てくれるんですよね。一応、安否確認のために実家と繋げなくてはならないので…
◆家庭用ファックスの設置率は27%
森田絹子アナウンサー)
固定電話と合わせて、かつては多かったのが家庭用のファクシミリ、ファックスです。
1990年頃から普及した家庭用のファックスですが、電話と一体化したものが多かったので、固定電話以上に減ってきています。2023年に設置している世帯は全体のおよそ27%。
固定電話はいざというときのために残していてもファックスはもう使うことがないと、外してしまうケースも多いようです。
堀啓知キャスター)
数年前は学校の欠席連絡のときに出しましたが、今は学校ともオンラインでのやり取りになっています。
◆アンヌ遙香さん「むしろファックスが欲しい」、満島てる子さん「情報保障という点で依然必須」
アンヌ遙香さん)
私はむしろファックスが欲しい。いま使いたいです。手書きの原稿とかを送るときに、手書きのものをまず接写して、自分のパソコンに送って、さらにそれをPDF化して…となると、自分の書いたものをさっと送れたらどれだけ楽だろうと思う時があるんですよ。
満島てる子さん)
私自身は使う機会がないんですけれど、色んな属性を持つ人への情報保障という点ではファックスは依然必須ではあるのかなとは思います。
LGBTQの活動に関わる中で、例えばろう者のLGBTQコミュニティーもあったりするので、そうした人たちに情報を届けるためにファックスが必要じゃないかなどと議論したこともありました。
使う機会は少ないけれど、不要というわけではないと思います。
森田絹子アナウンサー)
いろんな場面で、というと電源を必要としないアナログ電話などは停電でも使えるケースがあり、災害に強いというメリットもあり、特徴を把握した上で残すかどうか、見極める必要がありそうです。