【参議院選挙】迫る“トランプ関税”発動 輸出産業をどう守る 北海道選挙区の候補者12人は『独自アンケート』回答を受けて私たちの選択は…
2025年07月11日(金) 17時35分 更新
8月1日に発動する「トランプ関税」。今回の参院選では輸出産業をどう守っていくかも争点の一つです。
日の光を受けて青々と輝く、稲。コメどころの北海道芦別市はもうすぐ新米の季節を迎えます。
芦別RICE 沼田哲男会長
「順調すぎ。めちゃくちゃ生育が早い」
地元のコメ農家24戸でつくる輸出企業「芦別RICE」の沼田会長です。
輸出している1300トンのうち7割がアメリカ行きですが、今後は別のお得意先を探さないといけないかもしれません。
そのわけは、この人。
トランプ大統領
「関税をかける、関税をかけるんだ。ほとんどの国との交渉は7月9日までに完了するだろう」
アメリカのトランプ大統領は8日、日本に対して25%の関税を課すと表明しました。
芦別RICE 沼田哲男会長
「がくぜんとしましたね。どうしようみたいな。輸出する農家の立場で言えば、市場としてはアメリカが大きいので」
沼田会長はアメリカでのコメの販売価格に関税が上乗せされる分、農家からの買取価格が安く抑えられてしまうことを心配しています。
芦別RICE 沼田哲男会長
「一応、(現状は)アメリカ向けだけど、もしかしたら8月1日からの関税がアップになっているので行先は変わる可能性もありますね」
一方で、トランプ関税を冷静に受け止める企業も…。
FJコンポジット 津島栄樹代表
「ゼネラル・モーターズが車を作れば必ずウチのものを使うんですね。うちの物にかわるような材料はほかにないですし、ましてやアメリカでそれを作れるようなところもない」
半導体の熱を逃がす自動車部品を製造している千歳市の「FJコンポジット」です。
主に、アメリカの自動車メーカー、ゼネラル・モーターズの電気自動車向けに輸出し、その数は年間1600万個に上ります。
トランプ関税が課されても、自社の取引には影響しないとみていますが、関税措置は日本とアメリカ双方にメリットがないと指摘します。
FJコンポジット 津島栄樹代表
「関税に対して基本的にはやめてほしい。やめるよう主張すべきだが、向こうが一方的にやるというなら譲歩する必要はない」
トランプ政権とどう交渉し、産業を守っていくのか。
選挙戦では外交力も問われることになります。
■トランプ政権の関税政策にどう対応すべきか、北海道選挙区の候補者12人に独自のアンケートを行いました。(届け出順)
◆自民党・現職 高橋はるみ候補(71)
「サプライチェーンでの日本の役割の重要性を説明する」
◆参政党・新人 田中義人候補(53)【必要】
「農業を差し出すのではなく、非関税障壁と言われる消費税の在り方を見直すべきだ」
◆日本保守党・新人 小野寺秀候補(61)
「日本の安全保障上重要な液化天然ガスや防衛装備などアメリカ産品の輸入拡大」
◆諸派のNHK党・新人 後藤朋子候補(55)
「関税は高くても仕方がない」
◆日本共産党・新人 宮内史織候補(33)
「各国と共同して全面撤回を求め、北海道の農作物を差し出さない」
◆自民党・現職 岩本剛人候補(60)
「米国に対し毅然とした姿勢で臨み、産業雇用国民生活を守る」
◆諸派のチームみらい・新人 稲原宗能候補(36)
「同盟国なので協議を中心に考えるべき」
◆国民民主党・新人 鈴木雅貴候補(33)
「自国の生産品を守り、コメなどを外交の関税カードとして使うことには反対」
◆立憲民主党・現職 勝部賢志候補(65)
「各国との経済連携の枠組みを活用し、自由貿易体制を維持強化する」
◆日本維新の会・新人 オカダ美輪子候補(45)
「国際協調を重視しつつ国の道を守る」
◆諸派の日本改革党・新人 高杉保次候補(56)
「自由貿易のメリットを最大限に活かしつつ、国情に応じて協議修正する」
◆れいわ新選組・新人 野村パターソン和孝候補(40)
和孝氏は「回答しない」