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【大相撲】名古屋場所で一時、優勝争いを演じた一山本関「「もう一丁は勘弁してくれ」横綱・大の里との取り直し秘話《一問一答》公務員⇒力士 異色の経歴の裏側

2025年07月28日(月) 19時04分 更新

名古屋場所で快進撃を見せ、優勝争いにも加わった岩内町出身・一山本関。その強さの源泉と、公務員から力士へという異色の経歴の裏側にある思いとは。

激闘を終えたばかりの一山本関に、場所中の心境から知られざるヒストリーまで、余すところなく語ってもらいました。

■名古屋場所での快進撃「自分の力も通用する」
Q.15日間の戦いを終えたばかりですが、リフレッシュはできていますか?
A.きのうの夜、しっかり寝たんで、ある程度元気です。



Q.名古屋場所は9勝6敗と3場所ぶりの勝ち越しでした。手応えはいかがでしたか?
A.序盤中盤は調子よく相撲を取らせてもらいました。自分の力もある程度通用するのかなと思えた場所だったと思います。

Q.ご自身の持ち味である押し相撲は、今場所で貫けましたか?
A.負けた相撲でもしっかりそれは貫けたと思うので、そこは良かったと思います。

Q.今場所、特に印象に残っている勝利はありますか?
A.やっぱり勝ち越した相撲(9日目・豪ノ山戦)ですかね。結果的には引いて勝ちましたけど、立ち合いでしっかり当たれたのが良かったんだと思います。

Q.対戦相手の豪ノ山関は大学の後輩ですが、意識しましたか?
A.やっぱり後輩には負けたくないと思って相撲を取らせてもらって、勝てたんで良かったです。(大学時代は)かぶってはいないんですけど、それでもやっぱり後輩には先輩としての威厳を見せたいなと思っていました。

Q.12日目の横綱・大の里関との一番は、物言いの末に取り直しとなりました。会場も非常に盛り上がっていましたが、振り返っていかがですか?
A.自分の中でもいい相撲は取れたと思うんで、あと一歩が足りなかったというところです。しっかりそこを稽古して、来場所は、しっかり臨めればいいのかなとは思います。

Q.取り直しが決まった瞬間の心境は?
A.会場で「もう一丁」コールがすごいあったんですけど、多分会場で僕だけじゃないですかね、「もう一丁は勘弁してくれ」と思ってたのは(笑)。自分の中でもちょっと勝ったかなって思う部分があったんで。でも、取り直しになった時には、もう1回しっかり頑張ろうと気持ちを切り替えられたので、そこは良かったのかなと思います。

Q.10日目を過ぎたあたりから優勝争いに加わっていましたが、「優勝」は意識しましたか?
A.いや、全く。残り5日間あるんで、全然意識することなく相撲を取ったつもりではいるんですけど、どこかでちょっと緊張はあったかもしれないです。

Q.優勝へのプレッシャーや猛暑が続く中での体調管理はどのようにされていましたか?
A.やはり暑いので、水分をたくさんとってしまう。冷たすぎるものを飲まないようにするなど体調管理はしていました。メンタル面では、僕は寝たら嫌なことも忘れられるタイプなんで、しっかり寝ていました。



■一山本関ヒストリー:公務員から角界への異例の道のり



Q.8歳の時、お母さんの勧めで相撲を始めたそうですが、本当のきっかけは何だったんですか?
A.母の勧めというよりは、ちょうど相撲大会の景品にお米とかがあって、母親に「お米取ってきなさい」って言われたのがきっかけです。多分、食費が大変だったんだと思います(笑)。

Q.そのお米はもらえたんですか?
A. はい、しっかりもらいました。

Q.高校時代を映像で振り返っていかがですか?
A.めちゃくちゃ細いですね。当時、どうしても100kgを超えられなかったので。強豪校で過ごした経験があったから今があると思っています。



Q.中央大学を卒業後、すぐにプロには進みませんでした。当時はどのような思いだったのでしょうか?
A(一山本関): プロに行こうと思ったことが一度もなくて。北海道に帰ってきて、相撲を教えたりしたいなと思って、プロの道には進みませんでした。



Q.福島町の役場職員として働いていたそうですが、そこから再び相撲への情熱が戻ってきたきっかけは?
A.子どもたちが頑張っている姿を見たら、まだ23歳と若かったので、もう一回何かに挑戦したいと思いました。国体で負けた悔しさも大きかったかもしれないです。

Q.公務員の職を辞めて角界入りすることに、ご両親は反対されたそうですね。
A(一山本関): 両親は心配していたと思います。僕のいないところで家族会議もしたと言っていました。母親が僕に車を買ってくれそうになって、車でつられそうになりました(笑)。

Q.その決意を後押ししてくれたのは?
A.兄が背中を押してくれました。

■父との約束を果たし、目指すは「三役」



Q.お父さんから「3年で十両以上になれなければ辞めろ」と言われていたそうですが、2年で昇進を果たしました。
A. 3年以内というところでしっかり上がれたので、そこは良かったなと思っています。



Q.今後の目標を改めて教えてください。
A.関取に上がった頃から、もう一つ上の番付である「三役」を目指してやってきているので、来場所はチャンスだと思っています。しっかりそこで昇進できるように、また稽古を積んで頑張っていきたいです。

Q.最後に、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。
A.名古屋場所ではたくさんの応援ありがとうございました。来場所以降もしっかり頑張って相撲を取りますので、応援よろしくお願いします。

秋場所は9月14日からです。

北海道ニュース24