【速報】ノースサファリサッポロが閉園 無許可開発問題で営業終了 20年間で延べ200万人が利用…いまだ300頭以上の動物の移動先に課題
2025年09月30日(火) 17時00分 更新

2025年9月30日午後5時、札幌市南区の「ノースサファリサッポロ」が閉園し、20年間続いた営業が終了しました。
2005年にオープンした「ノースサファリサッポロ」は、動物と間近で触れ合えるのが特長で、ライオンへのエサやりなど“日本一危険”な動物園として、これまでに延べ200万人以上が訪れました。
札幌市に無許可で施設を建て、事業を拡大した無許可開発が問題となり、運営会社の「サクセス観光」は、市から行政指導を受けていました。立ち入り検査に入る札幌市(9月)
運営会社は9月末での閉園と、すべての建物を撤去することを表明しています。
■動物の移動先に課題
札幌市によりますと、飼育されていた動物640のうち、いまも半数ほどの319が園内に残っています。
受け入れ先が見つからず、移動のめどは立っていないとみられています。
全撤去を表明した違法建築物についても、100棟以上が残されていて、市は建物の撤去を命じる「除却命令」を出すことも検討していますが、撤去に伴う動物たちの移動については、運営会社に委ねています。
運営会社の代理人弁護士は、HBCの取材に対し「今後も札幌市に報告しながら、動物の福祉を最優先したうえで、建物の撤去も進めていきたい」とコメントしています。
■札幌市は補助金約6700万円の全額返還求める
運営会社は、宿泊施設の建設を目的に国や札幌市から合わせて約6700万円の補助金を受給していましたが、都市計画法違反にあたるとして交付を取り消され、全額返還を求められています。
その期限は9月11日まででしたが、いまだに納付されず、市は督促状を送るとしています。
■ノースサファリサッポロ 閉園の挨拶《コメント全文》
いつもノースサファリサッポロをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
この度、私たちは20年間の歴史に幕を下ろし、9月30日(火)をもって閉園することとなりました。
まず何よりも、建物に関する法令違反により長年支えてくださったお客様やファンの皆様のご期待を損なう結果になってしまったこと、深くお詫び申し上げます。
2005年の開園以来、多くのお客様に動物たちとのふれあいや学びの場をご提供できたことは、私たちにとってかけがえのない宝物です。厳しい自然の中でも動物たちを守り、育み、共に歩んでこられたのは、20年間変わらず応援してくださった皆様のおかげです。
スタッフ一同、心より感謝申し上げます。
また、マスコミで報道されている「閉園後の動物たちはどうなるのか」というご心配についても、この場を借りてお伝えいたします。
建物の撤去及び動物たちの移動までの期間、ノースサファリサッポロの動物たちの飼育費や今後の飼育環境につきましては、企業様・個人の皆様からの心暖まるご支援を頂戴し、動物たちの安全や飼育環境に問題はございませんので、どうかご安心頂けますと幸いです。
また、今後の動物達の受け入れ先についても調整が進んでいる状況です。
時間は要しますが動物たちにできる限り負担の無い様に、細心の注意を払い解決をしていきますので暖かく見守っていただけたらと思います。
最後になりますが、これまでノースサファリサッポロを愛し、共に歩んでくださったすべての皆様に改めて心からの感謝を申し上げます。
20年間、本当にありがとうございました。
2025年9月29日
ノースサファリサッポロ スタッフ一同