山菜採りでの遭難に注意 通信機器の携帯、白や赤の目立つ服装など備え万全に「迷ったと思ったら恥ずかしがらずに早く110番」北海道警察が呼びかけ
2025年05月22日(木) 22時19分 更新
この時期の食卓を彩ってくれる山菜ですが、自分で採りにいくときに気をつけたいのが、遭難です。山菜採りに必要な準備や注意点について、山に入って取材しました。
◆去年、道内で山菜採り中に遭難55人のうち8割が4、5月に集中
カラっと揚がったギョウジャニンニクに、ウド、そして、タケノコ。
・片山侑樹記者
「いい香りが口の中に広がります。春の北海道の山菜、最高です」
いまの季節は山の幸を求めて、入山する人が少なくありません。
こちらの男性が採ったのはみずみずしいフキです。
・山菜採りを楽しむ人
「自慢…これいいにおいするよ」
袋いっぱいのギョウジャニンニクも採れました。
ただ、山菜採りで気をつけたいのが遭難です。
道警によりますと、去年、道内で山菜採りのために山に入って遭難したのは55人。
このうち4月から6月の遭難者が約8割を占めています。
今年も21日までに17人が遭難しました。
◆下ばかりをみて方向感覚を失う
山菜採りの遭難はなぜ起きるのか?
道警の山岳救助係の案内で、タケノコがよく採れるというやぶに入ってみると…
・片山侑樹記者
「下ばかり見て歩いていると、方向がわからなくなりますね」
・片山侑樹記者
「かなり歩きづらいです」
・道警地域企画課 遠藤日出樹さん
「歩きやすい道にどんどん進んでいって、もと来た道から外れてしまい、迷う」
高校で登山部に所属し、山に慣れているはずの記者も、足元に気を取られているとすぐに方向感覚を失ってしまいました。
◆位置情報を知らせるアプリ「ほくとポリス」を道警が開発
道警は1人ではなくできるだけ複数の人で入山するほか、非常時に居場所を知らせる通信機器を携帯するよう呼び掛けています。
・道警地域企画課 冨江昴さん
「迷った時のために、このようなGPSやスマートフォンを持つようにしてください」
また、遭難した際に役立つというのが、こちら。
道警が開発したアプリ「ほくとポリス」です。
緊急時にブザーとライトが作動するほか、アプリの利用者らに自分がいる位置を知らせることができます。
◆入山時は服装の色にも気をつける
山に入る際には服装にも気をつける必要があります。
こちらはヘリコプターで撮影した映像です。
緑色の服は周りのササに紛れて見つけにくくなってしまいます。
しかし、白や赤の服を着ていれば山の中でも目立ち、救助隊が発見しやすくなります。
着ている服の色によって遭難した時の見つけやすさが大きく変わってくるのです。
◆「迷ったと思ったら恥ずかしがらず、頑張りすぎずすぐに110番」
・道警地域企画課 鍋谷圭介課長補佐
「危ない、迷ったと思ったら恥ずかしがらずに、頑張りすぎずに早く110番通報してください。明るい時間帯なら救助出来る可能性が高い」
道警はふだんから慣れている山でも危険な落とし穴があることを忘れず、十分な準備をして入山するよう呼び掛けています。