新聞配達中の男性を死亡させたクマは4年前にも人を襲っていた クマを人の周りに定着させない 住民不安の中で対策進む 北海道福島町
2025年07月21日(月) 16時37分 更新
北海道南部の福島町で男性を死亡させたクマが4年前にも別の人を死亡させていたことは、私たちに大きな衝撃を与えましたが、クマの目撃が相次ぐ道内ではほかの地域も他人事ではありません。
20日の福島町です。
麻原衣桜 記者
「ゴミの入った倉庫が2度クマに荒らされたスーパーの隣にある投票所には、入口の前まで車でやってくる人の姿も見られました」
依然、クマへの警戒が続く中、マチの人たちは思い思いの1票を投じました。
有権者
「安心した気持ちはあるけど、油断はしていない」
有権者
「きょうもあんまり出たくないけど、選挙あるから」
新聞配達中の男性がクマに襲われ、死亡してから1週間あまり。
男性を襲ったクマは18日に駆除されましたが、DNA鑑定の結果、そのクマは4年前にも福島町内で当時77歳の女性を死亡させていたことがわかりました。
女性の親族
「何年も前から出ていたのにね。もうちょっと早く手を打てばよかった」
クマの生態に詳しい 佐藤喜和教授
「積極的人を襲うようになった個体が繰り返し襲ったというよりは、ばったり人と出会ってしまった時に、攻撃的な行動をするような個性を持っている個体だった」
畑が大好きだったという亡くなった女性。
クマに襲われたとみられる現場はこの4年の間に、すっかり荒れ果てていました。
麻原衣桜 記者
「福島町月崎地区です。昨日から行われている電気柵の設置が今日も行われています」
今回の事故を受けて福島町は、クマが山から市街地に下りてこないよう電気柵を1.5キロにわたって設置しました。
一方で、対応の難しさもにじませます。
福島町 鳴海清春町長
「ハンターも含め人的に限られた中でやはり対策は制約されることがある」
駆除について町役場には約60件の抗議があったといいます。
専門家はごみ箱が荒らされていたことを踏まえ、こう話します。
クマの生態に詳しい 佐藤喜和教授
「クマがごみを食べる、農作物を食べることまで許容していきますと、クマの行動は簡単にエスカレートする。執着するともう離れられないという性格を、まずはしっかり知っていただいて」
人の生活圏の近くにクマを定着させる原因をつくらない。
クマ対策は、人間の側が行動する以外に答えはありません。