やさしく伝える 防災コラム

台風・大雨

備えて減災「水害リスクと住む場所」

森山 知洋気象予報士、防災士、HBC気象キャスター

災害が起きたときに被害を最小限にとどめる取り組みを紹介する今日ドキッ!で放送中のシリーズ「備えて減災」。今回は「水害リスクと住む場所」を考えます。

平成最悪の大雨災害「西日本豪雨」から3年(画像)

2021年7月7日で平成最悪の大雨災害となった「西日本豪雨」から3年になります。
西日本豪雨では洪水や土砂災害などで災害関連死を含めると300人以上が犠牲になりました。

こちらの数字に注目します。
「25%増加」
これは、この20年間でハザードマップの浸水想定エリアに住む世帯が全国で25%も増加しているのです。

浸水想定区域に住む世帯は、この20年で25%増加(画像)

北海道でも浸水想定区域に住む世帯は20年前に比べて14%も増え、札幌圏を中心におよそ64万人が暮らしています。

いったいなぜ、水害リスクのある場所に住宅が増えたのでしょうか?
地域防災の専門家(山梨大学 秦准教授)は、原因を以下のように考えています。
この20年で核家族化が進んだが、その購入した家の多くが、これまで家が建っていなかったような郊外の浸水想定区域に宅地開発が広がっていきました。これが浸水想定区域で人口・世帯数が増加した原因です。

近年の激しさを増す大雨災害を受けて、去年夏に不動産取引に関する法律が変わりました。
家を借りたり、買ったりする際、不動産業者が物件の水害リスクの有無を示すことが義務づけられたのです。不動産会社は、重要事項説明の中で、ハザードマップに物件の場所を記した上で書類とともにマップを契約者へ手渡しています。

不動産会社から物件のリスクを示されるのは、防災目線で考えるきっかけになります。
今後は間取りや家賃だけじゃなく、災害リスクがあるかどうかも一つの基準にした方が良さそうです。周辺に川はないか?急な斜面や沢はないか?なども住む場所を決める際には確認が必要で、今住んでいる場所の災害リスクもあらためて確認してみましょう。

ハザードマップは紙で渡されるものだけでなく、「重ねるハザードマップ」というWEBサイトでも気軽に詳しく確認できます。

出来れば、マップを見て終わるのではなく、お住まいの場所を歩いて、避難場所や危険箇所を確認する「防災さんぽ」を一度でいいからやってもらいたいです。

長期的には今後の街づくり・都市計画も考えていかないといけません。
今後の対策について専門家は「大雨災害リスクは立地次第!」「人口減少社会だからこそ、災害リスクの低い場所に住宅を整備していく。さらにリスクの高い地域については、新規開発を抑制していく。そんな街づくりが必要」
ということです。

住む場所を考える時代に!今後の対策は?(画像)

まずは、災害リスクをきっちり認識した上で暮らすという意識の広がりが大切になっていきます。

森山 知洋 プロフィール

資格:気象予報士、防災士、健康気象アドバイザー など。
平成14年に気象予報士を取得後、民間気象会社勤務を経て、現在はHBCウェザーセンターにて、気象キャスターとして活動。
北海道防災教育アドバイザーとしても全道各地で防災講演などを行う。

※掲載した情報やプロフィールは更新日時点のものです。

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