やさしく伝える 防災コラム

防災全般

春の強風

森山 知洋気象予報士、防災士、HBC気象キャスター

災害が起きたときに被害を最小限にとどめる取り組みを紹介する今日ドキッ!で放送中のシリーズ「備えて減災」。
今回は、『春の強風』です。

春は穏やかな日が多くなるイメージを持っている方も多いと思いますが、「強風日数」の月別の平年値データはこのようになっています。

「強風日数」の月別の平年値データ(画像)

実は札幌では風速10メートル以上の強い風の吹く日が4月をピークに春が多いんです。

春に風が強い理由は、「日差しが強まり対流が活発になること」と「発達した低気圧の通過が多いこと」などがあります。 この春の強風によってこれまでも道内では様々な被害が発生しています。

2012年4月4日、道内は急速に発達した低気圧の影響で春の嵐に襲われました。
26.4メートルの暴風が吹き荒れた札幌では建設現場などで強風被害が発生。
室蘭の白鳥大橋が閉鎖となるなど国道や道道が60区間以上が通行止めに。海も大荒れとなり、漁船や漁業施設にも被害がでており、宗谷岬で37.4メートルを観測した稚内ではホワイトアウト状態になり、北海道各地で被害が出ました。

春の強風は、砂嵐も引き起こすこともあり、強い風で飛ばされるものは、一瞬で凶器となる場合があります。
2015年2月に札幌で、ビルから落下した看板が歩行者を直撃。被害女性は意識不明の重体に。
2017年4月13日、25.2メートルの風が吹いた函館では看板の破片で歩行者が負傷する事故が発生。
2019年5月20日、道東自動車が砂ぼこりで視界不良となり追突事故が相次ぎました。

風の強い日が多い春は強風への備えが必要です。

風速と風圧の関係(画像)

実は、風速が2倍になると、風圧(風で押される力)は、なんと4倍になるという関係があるんです。風速が3倍になったら、風圧は9倍になってしまいます。
身近なところでは風圧の影響を、こんなところで受けています。

こちら、強風時の車のドア開けによる事故を想定したJAFの実験映像です。風速20メートルの風の場合、小学生はドアを抑えることはできませんが、大人は何とかドアが急に開くのを抑えることができました。
ところが、風速30メートル以上になると大人でも持ちこたえることができない風の威力です。
強風時の車のドア開けによってケガをする恐れや車の破損にもつながるため注意が必要です。

春の強風はこんなことに気を付けましょう。

春の強風 こんなことに注意(画像)

風速何メートルと数字で聞いても、どれくらいの強さかわからないと思いますが、風速を自分で推定できるお子さんも必見の方法をご紹介します。

風の強さは機会を使わなくてもだいたいわかる(画像)

こちらにあるようにこいのぼりや高速道路でよく見かける吹き流しや旗などの状態で風速がわかるんです!

こいのぼり吹きながしでわかる風速(画像)

こいのぼりが斜めだったら風速は2~3mで特に生活に影響が出ることはありません。

こいのぼりが真横に泳いでいたら5m以上でこれくらいの風が平均的に吹く時は洗濯物の外干しの時にしっかり留めておかないと風に飛ばされる恐れがあります。

こいのぼりが暴れるように泳いでいたら10メートル以上でこれくらいの風が吹くと駐車している自転車が横倒しになったり高速道路などで横風に流される感覚が強まりますのでご注意ください。

春の風の強さなどはチェックをして、日々の暮らしでも備えてみてください。

危ない風の強さは?(画像)
森山 知洋 プロフィール

資格:気象予報士、防災士、健康気象アドバイザー など。
平成14年に気象予報士を取得後、民間気象会社勤務を経て、現在はHBCウェザーセンターにて、気象キャスターとして活動。
日本気象予報士会北海道支部長も務め、北海道防災教育アドバイザーとしても全道各地で防災講演などを行う。

※掲載した情報やプロフィールは更新日時点のものです。

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