やさしく伝える 防災コラム

防災全般

複合型災害とそれに備える“重ねるハザードマップ”

森山 知洋気象予報士、防災士、HBC気象キャスター

災害が起きたときに被害を最小限にとどめる取り組みを紹介する今日ドキッ!で放送中のシリーズ「備えて減災」。
今回は、『複合型災害とそれに備える“重ねるハザードマップ”』です。

気象災害の2018年のランキング(画像)

こちらのランキングは気象災害の2018年のランキングです。
平成最悪の大雨災害・西日本豪雨、関西国際空港が閉鎖になった台風被害などで死者や経済的損失を総合して世界ワーストになってしまいました。

2018年の日本の気象災害「西日本豪雨」「台風21号」(画像)

また、地震についてはM6以上の大地震は世界の2割が日本付近で発生しています。
日本で起こる災害はこのように台風、地震、噴火など様々ですが、これらが重なるように複合的に起こる時が最も危険です。
道内でも台風に大地震という複合型の大災害が過去に起きており、2018年9月5日、北海道のすぐ西を強い勢力で北上した台風21号。
日本海側を中心に暴風雨となり、倒木や電柱倒壊などの被害が発生し、道央圏を中心に停電は最大およそ9万世帯にもなりました。
その翌日、午前3時過ぎ。北海道胆振東部地震が発生。全道で前代未聞のブラックアウトとなり、前日の台風で停電したまま、ブラックアウトを迎えた地域もありました。

大規模な土砂崩れが起きた厚真町。前日の台風の雨で地盤が緩んだ後の大地震が被害を大きくさせた、まさに『複合型災害』でした。
自然災害が頻発する日本では、一つ一つの災害に備えるだけでなく、複合的に起きる災害を想定する必要があるのです。

もし冬の北海道で外出も困難なほどの「暴風雪」の時に「大地震」が起こってしまうケースが考えられます。

複合災害のケース①「暴風雪」×「大地震」(画像)

① 猛吹雪の最中に
② 大地震が起きると、大停電などライフラインがストップし、さらなる大混乱になって交通マヒも拡大
③ 長時間、暖房が使えなくなることで命の危険も出てきます。
④ 地震が引き金となり、雪崩が発生する恐れや建物の倒壊リスクもあります。

一方、夏は「洪水に大地震」という複合災害が考えられます。

複合災害のケース②「洪水」×「大地震」(画像)

① 大雨で川が増水中に
② 大地震が発生して大混乱となり
③ 川が氾濫する前の避難ができず逃げ遅れのリスクが非常に高くなります。
④ 海に近い川は津波が川を上る恐れもあります。

川や海の近くなど場所によって連鎖する災害のリスクも変わってきます。

紙のハザードマップで確認すると、洪水のマップ、津波のマップ、土砂災害のマップなど別々になっていますが、これらを重ね合わせて見ることができる便利な情報が「重ねるハザードマップ」という国土交通省が作成しているWEBページです。

重ねるハザードマップ(画像)
重ねるハザードマップ:https://disaportal.gsi.go.jp/maps/?ll=35.353216,138.735352&z=5&base=pale&vs=c1j0l0u0

例えば、留萌の周辺で拡大して見てみると、洪水の危険箇所、そして、土砂災害の危険箇所、さらに沿岸部ということで津波の危険箇所と自分の知りたい場所の複数の災害リスクを簡単に地図上で重ね合わせてみることができます。

重ねるハザードマップ(画像)

例えば、北海道留萌市の沿岸部で見てみると、津波による浸水想定域がどのように広がっていくかみてみると。

重ねるハザードマップ(画像)

津波の浸水想定域がこのように広がっていて大地震で津波の危険がある場合、高台などに避難しなくてはいけないですが、もしそれが大雨の最中だとすると、洪水や土砂災害の危険エリアもこのように重なり、地震・津波・大雨と複数の危険を想定した避難も考えておく必要があることがわかります。

ぜひ複数型災害の備えとして、非常に役立つ”重ねるハザードマップ”をチェックしてみてください。

◎重ねるハザードマップ:https://disaportal.gsi.go.jp/maps/?ll=35.353216,138.735352&z=5&base=pale&vs=c1j0l0u0
※道内の太平洋側とオホーツク海側の津波データについては来年度以降、データが入る予定です。

森山 知洋 プロフィール

資格:気象予報士、防災士、健康気象アドバイザー など。
平成14年に気象予報士を取得後、民間気象会社勤務を経て、現在はHBCウェザーセンターにて、気象キャスターとして活動。
日本気象予報士会北海道支部長も務め、北海道防災教育アドバイザーとしても全道各地で防災講演などを行う。

※掲載した情報やプロフィールは更新日時点のものです。

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