やさしく伝える 防災コラム

防災全般

災害時の水の備え

森山 知洋気象予報士、防災士、HBC気象キャスター

災害が起きたときに被害を最小限にとどめる取り組みを紹介する今日ドキッ!で放送中のシリーズ「備えて減災」。
今回は、『災害時の“水”の備え』です。

2020年1月17日で阪神淡路大震災から25年経ちます。災害が非常に多い日本に住む我々は、大停電などライフラインのストップを想定した備えが必要です。

今回、注目するのは、「水」です。

これまでも大きな災害が起きた際は、断水も発生し、大混乱が起きています。
2018年9月6日に発生した胆振東部地震。
最大震度7を記録した厚真町では浄水場が土砂災害により使用不能になり、町内で2000世帯が断水、道内全体では最大7万世帯が断水しました。

断水は地震だけでなく大雨災害でも度々発生しています。
2016年、台風10号で大きな被害の出た十勝の新得町では断水期間がなんと18日も続き、長期間、不自由な生活を強いられました。

札幌で最大震度7 断水の復旧はどうなる?(画像)

札幌市のシミュレーションでは、最大震度7の大地震が真冬に発生すると死者は8千人以上、避難者は20万人以上になるといわれています。札幌市のおよそ7割の世帯で断水が発生し、冬は寒さや雪の影響で夏に比べて復旧には時間がかかるとみられています。北海道では、冬の寒い時期の断水を想定した備えが必要となります。

大災害時の断水、冬は長期化。水の備蓄は1週間分を(画像)

断水の復旧にどれくらいかかるかですが、札幌市で震度7の地震が起きて7割の世帯で断水が発生した場合、夏なら2、3日後には断水世帯は4割に、1週間後に1割弱まで断水世帯は減っていきます。しかし冬は2、3日後も復旧進まず7割断水継続、1週間後も3割位の世帯で断水が続くとみられており、完全復旧は冬の札幌は1か月半もかかる想定です。

ちなみに東日本大震災の時の断水は、東北では1週間後でも4割以上の世帯で続き、完全復旧に半年以上かかりました。

それでは、水の備蓄量はどれぐらい必要なのでしょうか。
夫婦二人暮らしの家庭で必要な水の備えとして、1人1日調理用の水を含めて3リットル。1週間分の備蓄が推奨されていて、二人では1週間で40リットル以上必要です。
二人でも結構な量になりますので、1か所にまとめるのではなく、分散して収納しておくといいと思います。

500mlはそのままコップなどを使わずに飲みやすく、2リットルのボトルは調理などにも向いているといった、色々なタイプでの備蓄も大切になります。
また、水以外にも、野菜ジュースなどの缶も箱買いもおススメで、被災した方のインタビューでも野菜などが欲しくなるという話も実際にありました。
好きな飲み物がいざという時に飲めるとホッとできるというのも大事です。

冬は、お湯を沸かしたり、調理が出来るようにカセットコンロも必須です。
ガスボンベは気温が低い冬は夏より消耗するので、10本程度あると安心です。

生活用水については、もし災害発生直後に水が出るなら、お風呂などにすぐ出来る限り貯めておきましょう。また冬に断水が長引いた時には、バケツなどに雪を詰めて、雪を溶かして使うのも緊急手段の一つです。

大災害が起きると、3日程度は給水車などの公的支援が来ない、物流も途絶えることがあります。水の備蓄はできれば1週間分をお勧めします。

水の備え、見直しましょう!

森山 知洋 プロフィール

資格:気象予報士、防災士、健康気象アドバイザー など。
平成14年に気象予報士を取得後、民間気象会社勤務を経て、現在はHBCウェザーセンターにて、気象キャスターとして活動。
日本気象予報士会北海道支部長も務め、北海道防災教育アドバイザーとしても全道各地で防災講演などを行う。

※掲載した情報やプロフィールは更新日時点のものです。

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