卓田の「これ聴いてみればいいっしょ」 バックナンバー

2024年3月

3月24日の1曲

「内気なマイ・ボーイ」白井貴子(1981年)

卓田のひとこと

「80年代のロック女王」「学園祭クイーン」などと呼ばれていた白井貴子さん。1959年神奈川県藤沢市生まれで、幼い頃からビートルズなどロックを聴いて育ち、高校卒業後はフェリス女学院短期大学音楽科へ進学。この頃から自分でオリジナル曲を作曲したり、バンドを組んだりして地元で少しずつ名が知れ渡っていきます。そんな時、友人がCBSソニーのオーディションに勝手に白井さんのデモテープを応募、見事合格しデビューとなりました。 デビュー時のキャッチフレーズは「世界一キュートなシンガーソングライター」。このデビュー曲「内気なマイ・ボーイ」は、作詞・作曲ともに自身の手がけた楽曲ではあるものの、ヒットを目指してインパクトのある歌詞に補強するため、歌詞は当時のヒットメーカー・竜真知子さんとの共同名義。また、アレンジもアイドルポップスの様な感じになっています。そもそも「内気なマイ・ボーイ」というタイトルが歌謡ポップスっぽいですよね。残念ながらこのシングルはヒットにはいたらなかったのですが、サビの「シャ・ラ・ラ・ラ・ラ~」の部分は白井さんがこだわって採用されたオリジナルの歌詞で、とても印象的。いま改めて聴くと、楽曲自体はかなりキャッチーで、面白い曲に思えます。

3月17日の1曲

「GEMINI」川島なお美(1983年)

卓田のひとこと

川島なお美さんといえば、30代に差しかかった1990年代以降は写真集やドラマ『失楽園』などで大胆なヌードを披露するなど妖艶な俳優として活躍したり、ワインをこよなく愛し「私の血はワインでできている」など個性的な発言でも話題になったり、また有名パティシエの鎧塚俊彦さんと結婚しおしどり夫婦としても知られていましたが、2015年11月に、胆管がんのため54歳の若さでお亡くなりになっています。そんな川島なお美さんは、私が高校生の頃は女子大生タレントとして大人気。文化放送の『ミスDJリクエストパレード』というラジオの深夜番組では火曜日の担当で、水曜日担当の千倉真理さんとともに絶大なる人気を誇っていました。私もわざわざ文化放送の電波を岩手の実家でキャッチして、雑音交じりの放送を一生懸命聴いていました。私のような田舎の高校生から見てキラキラ輝いている憧れの存在でしたし、篠山紀信さんが撮影したポケットサイズの「激写文庫・わたし」という写真集も買いましたね。「GEMINI」は、中原めいこさんが1982年リリースの1stアルバム「ココナッツ・ハウス」に収録していた曲のカバーで、3万枚以上を売り上げるスマッシュ・ ヒットとなりました。

3月3日の1曲

「タイガー&ドラゴン」和田アキ子(2003年)

卓田のひとこと

「タイガー&ドラゴン」と言えば、2002年にクレイジーケンバンドがリリースし、その後2005年には宮藤官九郎さん脚本、長瀬智也さんと岡田准一さん主演の、この曲名をタイトルにしたドラマ『タイガー&ドラゴン』のオープニングテーマとして起用されヒット。クレイジーケンバンドの代表作となった曲でもあります。 元々この曲は、横山剣さんが横浜から車で横須賀に向かう途中、最後のトンネルを抜けて横須賀の海が見え三笠公園周辺に着くまでの間に歌詞とメロディが浮かんだという曲で、その時に横山さんの脳内で歌っていたのが和田アキ子さんだったそうです。つまり和田アキ子さんが歌っているイメージで作られた曲なんですね。 レコーディングで最初に仮歌を入れる時にもアッコさんの歌い方を真似して歌い、その後本番で本来の自分の歌唱法で歌ったところが全然良くないということで、アッコさんの真似をした仮歌の方が採用されたそうです。 そして、2003年に和田アキ子さんご本人がこの「タイガー&ドラゴン」をカバーすることになり、これを聴いた横山剣さんは「コレこそが正調の“タイガー&ドラゴン”である」と大喜び。先にリリースしたクレイジーケンバンドのバージョンのほうがセルフカバーだと言い張る程、アッコさんが歌ったこの曲をとても気に入ったそうです。

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