卓田の「これ聴いてみればいいっしょ」 バックナンバー

2024年1月

1月28日の1曲

「熱愛ストーリー」真田広之(1981年)

卓田のひとこと

今や国際的俳優として世界を舞台に活躍し、2月にはハリウッド製作の連続ドラマで初主演とプロデューサーを務めるドラマシリーズ『SHOGUN 将軍』が配信される真田広之さん。幼少期から子役として芸能界デビュー。中学入学と同時に、千葉真一さんが主宰するJAC(ジャパン・アクション・クラブ)に入団し、母親の勧めで日本舞踊も始めます。1980年に映画『忍者武芸帖 百地三太夫』で初主演を果たすと、翌1981年公開の映画『ほえろ鉄拳』では、ヘリコプターから海に飛び降りるシーンを吹き替え無しで演じたり、空手を披露するなど、アクションスターとしてステップアップしていきます。同時に、甘いマスクを生かしてアイドルとしても売り出され、主演映画では主題歌も歌い歌番組にも出演していました。1981年にはブロマイドの売り上げがマッチやトシちゃんなどのトップアイドルに混じって4位にランクインしています。「熱愛ストーリー」は、まさにそんな時代にリリースされた曲。「誰かが君を汚してしまう。このままじゃいけない。」という印象的なセリフで始まります。作詞は 阿久悠さん、作曲は中森明菜「DESIRE」を作曲した鈴木キサブローさん。国際派俳優の懐かしい1曲です。

1月14日の1曲

「赤と黒」岩崎良美(1980年)

卓田のひとこと

「赤と黒」と言えば、道民的には北海道コンサドーレ札幌岩ですが、今回はこちらの曲。岩崎良美さんと言えばやはり「タッチの人」というイメージを持たれている方が多いかと思いますが、改めてデビュー曲から順を追って聴いてみると、非常に良い曲が多くて、しかも当時のアイドル歌謡とは一線を画すニューミュージック系の匂いを感じる曲が多い印象です。このデビュー曲「赤と黒」は、作詞がなかにし礼さん、作曲が函館出身の芳野藤丸さん、編曲が大谷和夫さんです。芳野さんと大谷さんは、かつて西城秀樹さんのサポートバンドだった「藤丸BAND」のメンバーで、その後「SHOGUN」というバンド名で活躍した2人です。1980年のデビューといえば、あの松田聖子さんや河合奈保子さん、柏原よしえさん、田原俊彦さんと同期です。とにかく歌唱力に関しては、デビューの時点ですでに完成されている印象で、さすが歌唱力抜群の岩崎宏美さんの妹だなと当時感心したのを覚えています。

1月7日の1曲

「童神~ヤマトグチ~」夏川りみ(2003年)

卓田のひとこと

元々は同じ沖縄のシンガー、古謝美佐子さん(ネーネーズの初代リーダー)が1997年に制作したプライベート盤に収録されていた曲。2001年の朝ドラ『ちゅらさん』でも使われ多くの人に知られるようになりました。夏川さんの他、花*花や島袋寛子さんなど多くのアーティストがカバーしている楽曲で、原曲は「ウチナーグチ」と呼ばれる沖縄の方言で歌われていますが、2003年に夏川りみさんが歌詞を標準語にした「ヤマトグチ」のバージョンをシングルとしてリリースしました。古謝さんは初孫の誕生を機にこの歌を書いたそうですが、歌詞では母親の立場になっていて「天からの恵みを受けて生まれた我が子。私こそが守って育てる愛しい我が子。泣くんじゃないよ。お天道さんの光を受けて、どうか無事健やかに育ってね。」1コーラス目はそんな感じの歌詞です。子供が生まれて間もない頃、寝かしつけるのにもひと苦労。それでも、ようやく眠りについてスヤスヤと寝息を立てる可愛い我が子の顔を見て疲れも癒やされるというのは、多くの親が経験した感情ではないでしょうか?数々の苦労を経て立派に子供を育て上げ、人生のひとつの節目である成人の式典の日を迎えた親御さんたちに、私から労いの思いと敬意を込めて、この曲を捧げたいと思います。

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