卓田の「これ聴いてみればいいっしょ」 バックナンバー

2020年12月

12月27日の1曲

「摩天楼ブルース」東京JAP(1994年)

卓田のひとこと

今年(2020年)10月7日に逝去された日本を代表するヒットメーカー筒美京平さんの作品からのピックアップ。この曲はリリース翌年に、当時人気絶頂の小泉今日子さんの初主演ドラマ「少女に何が起こったか」の主題歌に起用され、オリコンチャート18位のスマッシュヒットとなりました。東京JAPのメンバーには、のちにDJとして活躍する赤坂康彦さん(当時はヤス赤坂)もドラムスとして在籍していました。詞は売野雅勇さん。バンドでありながらシティポップ寄りの洗練されたアレンジと、歌謡曲っぽさも感じるキャッチーなメロディが印象的です。

12月20日の1曲

「シルバーパラダイス」チャゲ&飛鳥(1986年12月5日リリースミニアルバム『Snow Mail』収録)

卓田のひとこと

チャゲ&飛鳥のクリスマスソングというと「世界にMerry X'mas」をあげる方も多いと思いますが、この曲はチャゲアスの隠れたクリスマスソングと言えるのではないでしょうか?この曲を知ったきっかけは、私の大学時代の友人。無類のクリスマスソング好きで、それが高じて日本のクリスマスソングをすべてデータベース化しようという実にマニアックなホームページを20年ほど前に立ち上げました。その友人は毎年半ば強制的にその年のおすすめのプレイリストを私を含め友人たちに送り付けてくるのですが、今年のプレイリストのテーマは「色」…ということで、この曲がその中に入っていました。非常にポップなオールディーズっぽい曲で、バラードの「世界にMerry X'mas」とはまた違ったチャゲアスのクリスマスを楽しめる1曲です。

12月13日の1曲

「Deja Vu」八神純子(1980年リリース アルバム「Mr.メトロポリス」に収録)

卓田のひとこと

この曲は私がHBCに入社した当時、テレビで「ほっとないとHOKKAIDO」という番組を放送していて、そのオープニングテーマに使われていました。この番組は、私が入社した1990年当時は火曜日の夜7時から放送していましたが、ローカル局としては画期的なゴールデンタイム生放送の情報番組で、メイン・キャスターは航空ジャーナリストの中村浩美さんと先輩アナウンサーの野宮範子さんが担当していました。私も新人研修中にこの番組について現場の勉強をさせて頂きました。視聴率も割と良かったと思うのですが、何故か番組の内容があまり記憶に残っておらず、オープニングテーマのこの曲だけが妙に印象に残っています。ラテン調の洗練された感じのアレンジで、当時流行ったフュージョン(シャカタクとか…)っぽい印象。ベストアルバムにも何度か収録されたり、去年2月の大阪でのビルボードライブでは1曲目で演奏されるなど、最近のライブでも時々演奏されています。

12月6日の1曲

「さようなら」N.S.P.(1978年バージョン)

卓田のひとこと

N.S.Pは私と同郷の岩手出身。リーダーでギターの天野滋さん、ギターで私と同じ宮古市出身の中村貴之さん、そしてベースの平賀和人さんの3人構成。4枚目のシングル「夕暮れ時はさびしそう」のヒットで、たちまち人気グループになりました。そのN.S.Pの1973年のデビューシングルが「さようなら」(今回は1978年バージョンでO.A)。デビューシングルなのに「さようなら」っていうのもすごいです…。この曲は失恋ソングですが、とにかく主人公の男が未練たらたらで、ポジティブのカケラも無い。普通、男ってフラれたとき内心ウジウジしていても、どこかカッコつけて痩せ我慢するものですが、そういった本来心の内に隠しておきたいネガティブな想いをカッコ悪いけど正直に暴露しています。そして、天野滋さんのボーカルには何か不思議な魅力があって、決して抜群の歌唱力というわけではないのに、誠実さ、繊細さがあり妙に心に突き刺さってきます。また、メロディに対して歌詞の量が少ないのも独特。歌詞をこれでもかと詰め込む曲が当たり前になった今では、この手の音楽はほとんど無いのでは?

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