5月20日放送

 「女子力」という言葉が流行っている。
 女子サッカー「なでしこジャパン」の活躍により、スポーツ、文化、経済、あらゆる分野で女性のパワーが注目され、その粘り強い精神力やきめ細かな発想、時として大胆に取り組む力は、まだまだ未知の分野でも大いに活かせる可能性を秘めている。

堀江和美さん 今回のゲスト、すながわスイートロード協議会会長の堀江和美さんは57歳の男性経営者だが、お話を伺っていた私は、堀江さんを取り巻く沢山の「女子力」を感じた。
 「すながわスイートロード」とは、砂川市の官民手を携えての町おこし。砂川の町の人たちに古くから愛されてきたお菓子屋さんの元気を借りて町全体を活気づけていこうという、今年で11年目の取り組みだ。
 砂川市は、戦後の高度経済成長期には肥料工場群などで繁栄した歴史を持つ。そして、近郊都市の炭鉱が健在だった頃には砂川の商店街も活気を帯び、特に和洋の甘いおやつを提供する菓子店は、労働者の疲れを癒すために無くてはならない存在だったという。

堀江和美さん 時は移り、大きな工場も近隣の炭鉱も姿を消した現在は、お決まりの呼ばれ方「過疎の町」に。町の今後をどうもり立てていくかが砂川市も喫緊のテーマになっているのだが、堀江さんの話を聴けば聴くほど、「特になにもないが、住む人たちに愛されるなんとも魅力的な町」というイメージが浮き彫りになっていき、愛着がどんどんわいてくる。
 その、地に足をつけた不思議な魅力を支えているのが、女性パワーなのだ。

 「スイートロード」を支えるのはお菓子屋さん。甘いものとなると、勿論関わりが大きいのが女性。地元の女性たちの、時には厳しい選択眼がお菓子屋を育て、伸ばし、また、当のお菓子屋も独自に集まりを作り、お菓子作りの講習会などで地域への貢献を行ってきたという。そして、そんな雰囲気の中、元気な後継者は男性ばかりではない。市外に出ていた娘がUターンをして跡を継ぎ、若いセンスでオリジナルのスイーツを生み出す。まちづくり両輪のもう一方である行政はと言えば、担当の女性職員たちの頑張りも、周りにいい影響を与えてきたそうだ。

 堀江さんは、まちづくりの話し合いの中で、女性の意見は途中で口を挟まずに最後までしっかり聞くことを心がけていると教えてくれた。それは、娘さんからのアドバイス。「女の人はとにかく思っていることを聞いて貰いたいので、話を引き取ってアドバイスや持論を押し付けてはダメ。聞く姿勢が大事なのよ、おとうさん」と。
 そして、もうひとりの身近な女性、堀江さんの奥さんの力も欠かせない。女性目線は歯に衣着せぬ辛口が身上。好き嫌いをストレートに伝えてくれるその発想は、男性である堀江さんの決断のヒントになることも少なくないそうだ。

 砂川のまちづくり。四方八方に女性パワーあり。

 砂川には、バスグッズなどのヒットで全国的に活躍が知られる化粧品メーカー「ローレル」もあり、率いる女性社長は、砂川にいるからこその発信を大事にしていると聞く。
 堀江さんは、「スイートロード」のスイートは、「心地よい」「嬉しい」「美しい」という意味も含んでいると力説していた。この3つのキーワードも、なるほど「女子力」無くしては成り立たない。協議会会長としての堀江さんの役割は、これからもきっと、そのパワーを引き出し、まとめていくことなのだろう。

 「スイート」の土台は、ミルフィールのように何層にも折り重なった「女子力」。
 砂川市だけではなく、これからのまちづくりの揺るぎないキーワードになっていく、と感じた。

(インタビュー後記 村井裕子)

HBC TOPRadio TOP▲UP