10月30日放送

 何かの偶然が重なり合って、「守られているな」と感じることがある。

あまのともみさん 今回のゲストあまのともみさんの偶然は、自治体からのガン検診の無料クーポン。送られてきてそのままになっていたのを、掃除の時に何気なく見つける。
 日付が迫っていたので、無料だし行ってみようと、ほんの軽い気持ちで受診したところ、要精密検査。そこで知らされた「子宮頸部異形成」という放っておいたらガンになる段階という結果にも、「誰か他の人のカルテと間違っているんじゃないか」と信じられなかったそうである。
 「だって、何の症状も無かったんですから」と、あまのさん。
 幸いにも、あまのさんはこの検診のおかげでレーザー切除という簡単な手術で事無きを得たが、自分の体のことなのにあまりにも何も知らなさすぎることに愕然とし、子宮頸ガンのことをとことん調べていくと、「こんな大事なことを知らないでは済ませられない」と改めてショックを受ける。
 子宮頸がんは子宮体がんと違い、ウイルスで発症するものであるということ。
 体がんは中高年に多いが、頸がんは20代、30代に急増しているということ。
 2009年から予防のためのワクチン接種が始まっているということ。
 ただし、ワクチン接種が有効な型があり、それ以外のウイルスの型もあるので、ワクチン接種をしても100%万全ではないということ。
 だから、何よりも早期発見の検診が大切なのだということ。
 あまのさんは、その「それ以外のウイルスの型」だったそうで、それも調べて初めて知ったという。
 そうやって、調べて知っていくうちに、ひとりでも多くの女性たちに「伝えなくては」という気持ちに駆られ、自分の出来る「歌うこと」を武器に、若い人にも検診を呼び掛ける啓蒙の活動へと進んでいくのだ。

 活動の団体名、そしてオリジナル曲のタイトルは「Carrier Pigeon」。
 伝書鳩という意味だそうだ。あまのさんの活動を知った人が、「あなたのやっていることは、伝書鳩みたい」と言ってくれ、自分の役割をこの言葉に込めたそうである。
 この夏、相棒のハーレーダビッドソンで日本縦断のライブ活動を敢行したが、はるばる北海道から飛んでいったメッセンジャーは、人の集まるショッピングモールからショッピングモールへと場を移し、思いを込めて歌い、語ったという。

あまのともみさん あまのさんのオリジナル曲の中にこんなフレーズがある。
 「やまない雨はあったかい?」
 どんな土砂降りがあったとしても必ず晴れるから大丈夫・・・とやさしく問いかける応援歌だ。
 冷たく、激しく、身も凍えてしまいそうと思っても、時に雨は、思いもよらない副産物をもたらしてくれることもある。その厳しさによって、自分の中にあってまだ気づかない種から芽を引き出させることもある。
 その後の自分を支える軸になるような、一生ものの芽吹きを。

 偶然の出来事を偶然と流さずに、キャッチし、それを幸運に変えていくのには、「共時性」と言われる「意味のある偶然の一致」を逃さない能力も必要と、私は常々思っているが、偶然にガンを発見出来、改めてその怖さに触れ、命が助かったあまのさんが、その後、多<の人の為にメッセンジャーの役割を果し、それによって自身の生きる喜びを感じているのも、そんな力の表れなのだろうと思う。

(インタビュー後記 村井裕子)

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