7月31日放送

高原淳さん 人は「資源」の宝庫だ。
 それを発掘して輝きの源に光を当て、ラジオを聴いている多くの方々と共有出来たら素敵だなと思い、この番組を担当している。
 十勝・帯広発の雑誌「northern style スロウ」を発行している帯広のソーゴー印刷(株)社長、高原淳さんと話してみると、それは「スロウ」の理念とも一致していることに気づき、嬉しくなった。
 取り上げているのは「人の力」。それを掘り起こすことで「心の豊かさ」を感じて貰いたい。道産の美味しいものや、手作りの技、素敵な場所にスポットをあてていても、読み進むうちに、人が暮らしの中で気づいていった深い「哲学」を感じて貰いたい、と。

 高原さんご自身が、沢山の言葉や考え方の「宝もの」をお持ちだ。
 大きな入れ物の中に、人生観の「引き出し」がいくつも装備されているのだ。
 例えば、「自分を分析して出来た気づき」の引き出し。
 例えば、「世の中の素敵な考え方」を、浜辺から貝殻をひとつずつ拾うように集めてきた引き出し。
 そして、「生きていく上で大切なこと」を、時間をかけていっぱいにしていった引き出し。・・それらを自在に開けてみせて、伝えてくれる。

 高原さんは、ウイットに富んだひょうひょうとした話し方で、「自分は不器用で」と謙遜する。しかし、15歳でカメラに出会い、それを仕事にすることで自分が作られていった、その誇りは人一倍。一生の仕事を見つけ、愚直と言いながらも、そこからいくつもの扉を開いていった人の強さを持っている人だ。
 高原さんは言う。「ひとつの道を最低10年続ければ、一人前になります」。
 そして、「そういう、これぞ自分の仕事というものを持っていれば、どんなに大変なことがあっても立ち直れるものです」と。
 それを支えているものは?・・と質問すると、楽しそうに「思い込み力!」と答えてくれた。「『誤解』『錯覚』『勘違い』の3つをうまく活用すること。『勘違い』も10年続ければ、必ずものになるんです」
 だから、「根拠なんかないけど、思い続けることが大事なんだなあ」と、笑う。

高原淳さん 高原さんは、身近なところから、普通はあまり気づかれていない「美しさ」を切り取りたいという思いでシャッターを切っている。それを提供するのが自分の仕事。
 そうして、「北海道は益々美しい場所になっていく」と信じている。
 「ひとりひとりがそう思いこむと、そうなっていくんですよ。それが思い込み力!」
 例えば、「北海道は益々美しくなる」と思う。思いにちょっとだけ「行動」をプラスさせるのがポイント。自分の会社の周りを自分が綺麗にしていると、社員が同じように綺麗にする。それを続けていると、隣近所が同じように綺麗にする気持ちになっていく。ちょっとずつ、その界隈が美しくなっていき、同じようないい空気になっていく。そんな、「良き思いの伝染」は必ずじわじわと広がっていき・・やがて、地域が「思い」によって美しく変わっていく。
 「北海道がどんどん良くなっていく、その根拠は?って聞かれても、根拠はないんですけどね」

 雑誌「スロウ」には、そんな「根拠ないけど、きっとそうなっていくという良き思い」を、自分は仕掛けているつもり・・と、ある重大なヒミツを打ち明けるかのような小声で嬉しそうに語ってくれた。
 「スロウ」のページを開くと、私はこんな素敵な風景の場所に、こんな素敵な人たちが暮らしている土地に住んでいるんだ・・と、改めて北海道への愛を刺激されるのは、そんな深くて壮大な計らいがあったのだ。

 人は「資源」。そして、その心の中の「思い」も良きベクトルに働き、ある一定の人数の高い意識が集まることで、何かを動かす大きな力になっていくと、私も思う。
 先の見えない大変な時代ではあるが、「きっと良くなる。きっと美しくなる」。
 良き言霊(ことだま)を唇に、「思い込み力」を活用させていこう。
 「根拠はないけど、きっと大丈夫!」

(インタビュー後記 村井裕子)

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