4月17日放送

小松順代さん 「ほっかいどう元気びと」の第一回目のゲスト小檜山博さんと対談していた時の話。
 新作ご著書の『漂着』で書きたかったことは、今の農業を取り巻く問題。ただし、それは、農家だけの問題ではないのだ。私たちひとりひとりの「命」の問題なのだ。ぼーっとしていないで、自分の食べるものにもっと想像力を持たないと、この国は駄目になってしまうよ、と。
 同じ折り、十勝の畑作農家の若い担い手の方とお話しした時にも同じような訴え。
 「村井さん、北海道の作物を守っていくには、今よく言われる『食育』を地道にしていかなきゃならないんだ。この野菜はどこで穫れたとか、どんなふうに作っているかとか、子供達に食べ物のことを教えていかないと、って考えている。農業は『命』を作ってるんだから」。

小松順代さんのキャラ弁 キャラクターの顔や形を食材で上手にデザインし、お子さんのお弁当作りを楽しんでいる札幌在住の小松順代さん。
 ブログにその写真や作り方をアップしたことで大人気になり、今や「カリスマキャラ弁主婦」と呼ばれるようになったとのことですが、スタジオにいらっしゃった小松さんは、ごく普通の明るいはつらつお母さん。
 「お子さんのためにキャラ弁を作って、何がよかったですか?」と伺うと、「キャラ弁のことで子供と会話する楽しさが増えた」とのこと。男の子ふたりとのやりとりはどんなにか楽しいか、目に浮かびます。
 「今度は戦隊○△□を作って!」とリクエスト。お母さんは「難しそう~!」と言いながらもデザインと食材を考える。
 「戦隊は水色やブルーが多いのよね~」と悩みながら、茄子漬けの汁でカマボコを染めてみる。
 「どうやって色着けたの?」「茄子の漬け物の色で着けたブルーなら体にいいでしょ」
 「顔は何で作るの?」「ほっけソーセージ!色が顔色ぴったりでしょ?北海道のソーセージなんだよ」
 おお!これこそ「食育」!
 お弁当を開けたお子さんは、例えば、3匹のペンギンおにぎりの首の蝶ネクタイが3色のピーマンで色分けされていることに驚き、その蝶ネクタイのどの色から食べようか・・わくわくしながら野菜と出会うことになる。
 例えば、同じ赤く見えるごはんだとしても、ケチャップの時もあれば、たらこをまぜる時もある。赤い色でも、いろいろな味があるんだと、ちっちゃな舌が記憶する。
 キッチンの半径数メートルのところで展開される「食育」こそが、後々しっかりした人の土台作りに繋がっていくはず。
 小松さんの素敵なのは、そんな「食育」を頭で考えるのではなく、「楽しい!」というフィーリングで続けているということ。「どうせ作らなければならないなら、楽しくやろうと思って!」という小松さんが獲得してきた人生観からくる言葉がそれをよく表していました。
 キャラ弁作りを楽しむコツは、無理をしすぎないこと。おにぎりに目鼻で「まっくろくろすけ!」でも、ゆで卵にちょっとの工夫で「トトロ!」でもいい。市販の抜き型も大いに利用して気楽に!というのが小松さん流。頑張りすぎず、自分も楽しみながら、小松さんは今、週一回のお子さんのキャラ弁作りを続けているそうです。
 そして、ブログで反響がなかったらこんなに続いていなかった、とも。
 やはり、人は、自分のやっていることを認めて貰えると、思ってもみなかった力が出るのかもしれません。

 あなたの半径数メートルでできる、あなたらしい「自己表現はなんですか?」

(インタビュー後記 村井裕子)

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