ほっかいどう元気びと

日曜日 あさ9:30-9:50

2018年9月23日のゲスト

神谷 憲一さん
親子で楽しむ謎解き・ボードゲーム
「常盤倶楽部」主宰
神谷憲一さん

愛知県出身 43歳。
地元の高校を卒業し、北海道大学法学部に進学。卒業後は札幌のシンクタンクに勤める。
5年程前にテレビで紹介していたボードゲームに興味をもったことから、その楽しさに目覚め買い求めるうちに「地域の子供たちにも教えたい」と、2014年9月に「常磐倶楽部」を立ち上げる。
現在は月に一度のペースで町内で活動するほか、札幌市内のイベントでも親子にボードゲームを教えている。

radikoのタイムフリーを使用すると、放送終了から1週間ほど番組を聴くことができます。

村井裕子のインタビュー後記

 全道が被害に見舞われた大地震と停電から1日また1日と時間が経過し、少しずつ日常が戻り始めている。この体験で改めて大事さを感じたのが、ありきたりの言葉ではあるが“人と人との繋がり”だ。節電で薄暗い札幌の地下の雑踏などを歩いていてほほえましく思うのは、待ち合わせの人達や顔見知りの人達が会う瞬間、「大丈夫だった?!」「ケガしなかった?!」といった声が飛び交う光景。少しトーンの高い、嬉しさを含んだ声にほっとする。
 災害を経験すると顔馴染みの人達に無性に会いたくなる。いや、たとえ知らない人達でさえ「大丈夫でしたか?」と声を掛けたい気持ちになる。私が担当する各地の講座は、直後の数日間は振り替えや中止を余儀なくされ、週明けから予定していた札幌の講座から始めたのだが、「こういう災害の後は皆さん講座や教室に来るのも大変なのでは?」という私の杞憂など何のその、どのクラスも仕事など用事の人以外ほぼ百パーセントの出席率だった。決めていることはきちんと遂行し日常をちゃんと取り戻そうという思いと共に、やはり皆それぞれに「会いたい」のだと伝わってきてひそかに感動。こういう災害の後は・・・「人に会う、人と話す、人と笑う」ことで前向きなエネルギーが湧くもの。それを改めて感じている。
 9/23放送の『ほっかいどう元気びと』インタビュー収録は大地震のちょうど前日だったが、ゲストは、町内の親子達と遊びを通して繋がりを深めてきた人。きっと、地域の顔馴染みの人達と声を交わし合っているのではと思う。

神谷憲一さん お話を伺ったのは、札幌市南区常盤地区で親子で楽しむ謎解き・ボードゲームの会「常盤倶楽部」を主宰している神谷憲一さん 43歳。チェスやオセロ、人生ゲームといったボードゲームを子供から大人まで一緒に楽しもうと町内会館で月に一度開催しているとのこと。なぜボードゲームなのか、そこから何を共有していきたいのか、その楽しみの源を伺った。
 地域の子供達から“かみやパパ”と呼ばれているという神谷さんは、札幌市内のシンクタンクに勤める会社員。2人のお子さんを持つ“おとうさん”だ。ボードゲームは子供の時にひととおり遊んだ後は離れていた時期も長かったそうだが、ご自身の中でボードゲーム熱が再燃したのは5年ほど前。テレビの特集をたまたま見たことがきっかけだったという。その時興味を持ったゲームをすぐに買いに行って、そこから仲間が増え、情報も増え、取り寄せるボードゲームの数も増えていったとのこと。一口にボードゲームと言っても日本のものもあれば外国のものもあり、その面白さも様々ですと神谷さん。最初は家でお子さん達に遊び方を教えて一緒に楽しんでいたそうだが、近所の子供達、さらにお父さん達も一緒に参加できたら楽しいのではと思い立ち、会を立ち上げることになったのだという。ボードゲームの良さは、何より、“人が一緒にいないと遊べない”というところ。コミュニケーションをとりながら楽しむのが一番の良さと語る。
 “かみやパパ”が頭に浮かべているイメージは、昔、いろんなことを教えてくれた近所のおじさん。ご自身の中にもソフトボールを教えてくれたおじさんの記憶があるそうで、「近所のおじさんとして子供達に慕われるのがいい。そんな、ふらっと集まれる場を続けていければいいな」と楽しそうに話す。

神谷憲一さん 収録後の雑談。ボードゲームの世界をとことん追求している神谷さんによれば、このデジタルゲーム全盛の世の中にあってアナログのボードゲーム熱は年々高まってきているそうで、札幌に出来た“ボードゲームカフェ”なども隠れ家的な人気を集めているとのこと。それに呼応するように、神谷さんご自身も常盤での会のみならず市内で開催される催しで親子にボードゲームの遊び方を教える活動や、さらにはゲームを作るという面白さにも挑戦してきたという。
 その熱さの源は、ボードゲームは“考える”ということ無しには遊べないということが大きいと話す。人と触れ合いながら、どうやったら勝てるかという戦略を考える面白さ。そうこうしているうちに、新たなゲームを“作りたく”なり、それをまた“考える”面白さがあるとのこと。神谷さんは、そういった「ボードゲームで遊ぶ・ボードゲームを作る・それを販売する」というテーマで高校生達に自由に発想して貰う授業を担当する機会もあるというが、「それはまさに総合力のトレーニング」なのだそう。戦略を考えながら遊ぶうちに、こんなゲームもあったらいいなと創造する頭になっていき、そして、これを売るためには何が必要なのかと考えが次々連鎖していく。しかも、他の人達の発想に触発されてどんどんオリジナルのアイディアが湧いてくるのだそう。なるほど鍛えられるのは、発想力・商品開発力・コミュニケーション力・・・確かに“社会で生きていく時に必要な”「総合力」に違いない。
 神谷さんに『元気びと』スタッフも交えて興味深く“ゲーム談義”をしているうちに、“こんな人生ゲームがあったらいいな”に話題が飛んで、「放送局が舞台はどう?」「酪農や農業、一次産業で考えてみるのも北海道らしい」・・・などなど、様々なボードゲーム創作案が湯水のように湧いて出てくる。ボードゲームの話題ひとつで思いもかけず枝葉が繋がるような思考回路になっていったのがとても新鮮だったが、そんな中で神谷さんのこんな一言が心に留まった。
 「根本にあるのは、“楽しいってなんだろう”なのだと思います」
 “楽しい”というのはとても漠然とした定義だが、“私にとって楽しいってなんだろう”という疑問符を使って紐解ければ、確かに自分自身が見えてくる。個々の“リアル人生ゲーム”は決して楽なことばかりではなく、立ち止まって動けないことも少なくないが、“自分にとっての楽しさは何か”を日ごろから具体的にわかっていれば、どんな状況であろうともそれを“お守り”に、まずは一歩ずつ、前向きに進んで行けるのかもしれない。
 神谷ファミリーは、出張土産の「大沼だんご」をご家族4人で食べる時も“じゃあ、ゲームにするよ!”と楽しいルールを決めているそう。餡・胡麻・正油の三種類の味を自分以外の3人を相手にどう攻略するか・・・?!
 そんなエピソードを聞きながら、人と人との日常というのは、ちょっとしたアイディア、ささいな仕組みづくりで、小さな笑顔も引き出し合えるのかもしれないなと感じた。

(インタビュー後記 村井裕子)

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パーソナリティ

村井裕子 フリーキャスター/声と言葉の自己表現「村井塾」主宰

HBCで18年間勤務の後、フリーとして活動。現在は放送や朗読表現活動の他、札幌や帯広など道内各地で「話し方」「朗読」講座を通し、声と言葉の自己表現による人の魅力作りにも尽力する。

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