アジア850hPa・700hPa天気図(略号AUPQ78)

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データ更新時刻
1:25/12:55

※日本時間09時、21時に観測・発表

AUPQのAUはAnalysis Upper(上層解析)、PQはWestern North Pacific(北西太平洋)、78は700hPa天気図と850hPa天気図を組み合わせたもの。
09時と21時に気球(ゾンデ)を上げるなどして観測した上層デ-タを元に作られた天気図。

地上天気図に対し、これは上空の大気の状態を表す高層天気図と言われています。
地上天気図との一番の違いは、引かれている線が等しい気圧の地点を結んだ等圧線ではなく、等しい気圧の高さ・高度を結んだ等高度線であるということです。
地上天気図とは、様々な高さで観測された気圧デ-タを高さ0mに換算して作られている「等高度面天気図」です。それに対して高層天気図の場合は、ある一定の気圧面、例えば、700hPa面や850hPa面を考えて、その面の高さ・高度を描きます。
ただ、高度の高い所は気圧が高く、高度が低い所では気圧は低くなるので、地上天気図も高層天気図も感覚的には同じように見ることが出来ます。
また850hPaは高度約1,500m、700hPaは高度約3,000mの天気図ですから登山者には大変有効な気象デ-タです。

☆700hPa天気図(上の図)のポイント
表示デ-タは、等高度線、等温線、湿域、代表地点の風向・風速・気温(上)・湿数(下)などです。
▼等高度線…3,000mを基準にして60m毎に実線で、300m毎に太線で表示。
高度は120m毎に表示。
▼等温線…0℃を基準に6℃毎に破線で表示。気温の数値も6℃毎に。
また寒気の中心には「C(cold)」、暖気の中心には「W(warm)」が表示。
▼湿域…「T(気温)―Td(露点温度)=湿数」で湿数3以下がメッシュ状の点で示されます。
文字が示すとおり「湿った空気」がある所で、中・下層雲の雲の広がりとほぼ一致。

☆850hPa天気図(下の図)のポイント
表示デ-タは、等高度線、等温線、湿域、代表地点の風向・風速・気温・湿数などです。
▼等高度線…1,500mを基準にして60m毎に実線で、300m毎に太線で表示。
高度は120m毎に表示。
▼等温線…0℃を基準に3℃毎(寒候期12 ̄3月は6℃毎)に破線で表示。
気温の数値も6℃毎に。
また寒気の中心には「C(cold)」、暖気の中心には「W(warm)」が表示。
▼湿域…「T(気温)―Td(露点温度)=湿数」で湿数3以下がメッシュ状の点で示されます。
文字が示すとおり「湿った空気」があり、雲が出来やすく悪天域になりやすい所です。
中・下層雲の雲の広がりとほぼ一致します。

この天気図は前線(例えば、冷たい空気と暖かい空気など性質の違う2つの空気の塊がぶつかって大気の状態が不安定になる場所)を見つけるために有効です。
一般に等温線が混み合っているところや、風が収束(周囲から空気が集まる状態)しているところが前線に対応するので、その前線の種類や活動状況などを判断します。

ちなみに前線とは下記の四種類。
(1)温暖前線(冷たい空気の上に暖かい空気が這い上がる)
(2)寒冷前線(冷たい空気が暖かい空気の下に潜り込む、突っ込む)
(3)閉塞前線(寒冷前線が温暖前線に追いつき、間にあった地上の暖気を持ち上げた時)
(4)停滞前線(冷たい空気と暖かい空気の勢力が互いに伯仲して動かない)

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