上:熊野本宮大社に伝わる御カラス様(牛王宝印) |
ヤタガラスは ワタリガラスか 日本古代神話にみるカラス伝承(前編) 宗教学者 鎌田 東二 |
| かつて神話は、征服者が被征服者を服従させるために都合良く書き換えられてきたと言われている。「古事記」や「日本書記」といった、古代日本の姿を伝える神話も例外ではない。しかしその前後の歴史と照らし合わせてみれば、神話の中に隠された真実が見えて来る。古代日本神話に登場する巨大カラス「ヤタガラス」は何を意味しているのか?気鋭の宗教学者が、隠された符号を探す。 | ![]() |
| ワタリガラスが創造神話と深くかかわっていることはよく知られている。世界の創造、新生、再生の担い手としてのワタリガラス=レイヴン。 そのワタリガラス神話を追跡し、アメリカ大陸のインディアン社会とユーラシア大陸および日本列島のモンゴロイド社会のつながりを現代に蘇らそうとしていたのが故星野道夫だった。 |
![]() |
ボブサム氏のワタリガラスの物語の一部が聞けます(13sec/27k) ※RealAudioプラグインのない方は上のアイコンをクリックしてダウンロードして下さい |
| 上:ストーリーテリングを行うボブ・サム氏。(98年10月札幌) | |
| 1998年10月10日、私たちは鎌倉の大仏様の前で、呼びかけ人の喜納昌吉氏らと共に「神戸からの祈りー東京おひらき祭」と銘打つ祈りと歌の祭典を行った。コンサートや踊りの前に、正午から1時間、祈りのセレモニーを行ったのだが、そこで、仏教、神道、ネイティブの人たちが超宗教と友愛を旗印に合同の祈りの時を共有した。アメリカインディアン、チペア族のデニス・バンクス、ラコタ(スー)族のレオナード・クロウドック、アラスカインディアン・クリンギット族のボブ・サム、フィリピン・イゴロット族のキドラット・タヒミック。そしてアイヌのアシソ・レラ(山道愛子)、沖縄の喜納昌吉氏・・・・。 その中のひとり、ボブ・サム氏は、私たちの催しの中で、ワタリガラスの神話を語ってくれた。ワタリガラスが鷹の若者に頼んで海中から火を採って来させ、それを世界中の木々や動物に降り注いで「魂」を吹き込んだ話を。ボブは言った。「魂を語ることを怖るるなかれ Don't be afraid to talk about the Spirit.」と。 ボブの話の中で、ワタリガラスはこの世界に魂をもたらし、いのちを吹き込んだ立役者として登場してきた。ボブ・サムはそのワタリガラスのクラン(一族)の語り部で、今回平成神道研究会主催のシンポジウム「自然と祖霊ー多神教の意味」(10月11日於・國學院学院大学)の基調講演者として出席するために初来日した。 |
![]() |
|
左:余市のストーンサークル 中:アイヌの代表と 右:小樽の市街地で
|