『記憶障害の花嫁』あらすじ

小柳つかささんは、高校2年の時に交通事故に遭いました。意識不明の重体。医師からは「このまま死ぬ確率は60%、もし生き残っても一生植物状態」と告げられました。しかしつかささんは、意識を取り戻しました。2年間のリハビリののち、高校を卒業、江別市の大学にも進学し、困っている人の力になりたいとカウンセラーになることを決意します。
つかささんは、左半身がマヒしているため電動車椅子を使い、また脳を強く打ったせいで、きのう起こったことも、そのすべてを覚えておくことができない「記憶障害」を負っています。それでも彼女は、自分の夢を決してあきらめません。ふるさとの網走で、愛する男性と巡り合い、妊娠、結婚。生まれてきたのは、つかささんにそっくりな男の子でした。しかし…。
つかささんの主治医は言います。「つかささんは、医学では説明できない“奇跡のかたまり”なのです」と。
5年間にわたる取材を重ねたテレビドキュメンタリー「記憶障害の花嫁 最期のほほえみ」は2011年度のJNNネットワーク大賞を受賞し、日本じゅうを感動の涙につつみました(※ダイジェストをYouTubeでご覧いただけます)。本書は、さらなる詳細な取材を加えた、「生きるチカラ」がみなぎる一冊です。
北川景子さんのコメント

写真

著者 田中敦さんによる執筆秘話

写真

『つかささんが教えてくれたこと』
テレビのナレーション原稿は、ある程度書き慣れていましたが、テレビの原稿と、本の原稿ではこれほど違うものなのか!と気づいたのは、すでにこの仕事を引き受けた後のことでした。ドキュメンタリー番組を作った時に取材したことを、また1からやり直し、さらにつかささんと関わりのある多くの方にお話を聞かせてもらいました。その中でも特に印象に残っているのは、つかささんが1年3か月入院していた網走脳神経外科の橋本理事長のお話です。
「1週間の命、もし長らえても一生植物状態と診断されたつかささんが、大学を卒業して、愛する男性に巡り合い、子どもを産んだ…。笑われるかもしれないが、それは医学などではとても説明することはできない。つかささんは“奇跡のかたまり”のようなものなのです」それを聞いて、記憶障害を負った女性の生きざまをどのように描けばいいのか?という、私の前に立ちはだかった“大きな壁”がスッと消えた気がしました。
つかささんは、どんな困難も困難と受け止めることなく、つねに前向きでした。底抜けに明るくって、ユーモアのセンスも抜群でした。そんなつかささんだからこそ、“奇跡”を手に入れることができたのだ、きっと…。
この本は、つかささんの“生きるチカラ”で満ちあふれています。人間が強く生きていこう、もっと前に進もうと決意したとき、その“生きるチカラ”は、どんなハンディをも乗り越えられるものなのだということを、つかささんが教えてくれました。
HBC北海道放送 報道部取材班 田中 敦

『記憶障害の花嫁』感想コメント

写真

驚くほどの生きる力で、つかささんは毎日、引き出しからこぼれ落ちていく忘れたくない記憶を一生懸命拾い集めながら、恋をして結婚して出産。どうして奇跡が起きたのだろう。それはお母さんの深い愛情。最愛の人・雅己さんの与えてくれた希望。そしてつかささん自身の日々悔いを残さず、まっすぐで周りを明るく照らす生き方によるものだと感じました。
HBCアナウンサー 室谷香菜子

写真

「完璧なバリアフリーがあったら、人の温かさを感じられなくなるっしょ」ニュースで、記者の質問にそう語ったつかささんの言葉がいまも心に焼きついています。テレビでは、数々の逆境に負けず人一倍の努力で前に進もうとする力強さが印象的でしたが、この本では、女性としての人生を全うしようとする姿が詳しく描かれていました。つかささんの人生から『気持ちの持ちようで、なんでもできる』という力強いメッセージをもらいました。
HBCアナウンサー 高橋友理

書籍情報

写真
タイトル
記憶障害の花嫁
著者
HBC北海道放送 報道部取材班
出版
小学館
価格
1,470円(税込)
書籍のご購入
全国の書店ほか、下記ショッピングサイトでもご購入頂けます。
HBCショッピング
写真