やさしく伝える 防災コラム

台風・大雨

備えて減災「災害情報のレベル化」

森山 知洋気象予報士、防災士、HBC気象キャスター

災害が起きたときに被害を最小限にとどめる取り組みを紹介する今日ドキッ!で放送中のシリーズ「備えて減災」。
今回は「災害情報のレベル化」です。

ここ数年、記録的な大雨や想定を超える集中豪雨などが頻発しています。2018年の西日本豪雨など人的被害が大きくなる時は、防災情報の危機感が十分に伝わらず、逃げ遅れるケースも目立っています。
本来、危険をいち早く知らせるはずの防災情報ですが、例えば、大雨の危険度がかなり高まった時には、多い時は図1のようにたくさん種類の情報が発表されます。

複雑な防災情報(画像)
図1:複雑な防災情報

これだけいっぱいあると、情報を受けとっても、どの情報で、どういう行動をとらなければいけないのか理解するのは難しいという課題があります。
そこでこのきめ細かい情報は今まで通り活用しつつ、2019年の夏から大枠として『5段階のレベル』で、まずはシンプルに危機感を伝え、行動に移してもらえるように防災情報のレベル化が開始になりました。

5段階の警戒レベル(画像)
図2:5段階の警戒レベル

注目は緊急度が高い上の3つ。

・レベル3は「高齢者など時間のかかる方は避難」
・レベル4は「対象住民は全員避難」
・レベル5は「すでに災害が発生」

とシンプルに理解できるようなレベル化した情報発信に2019年5月末から段階的に運用開始となっています。避難が必要なレベル3以上は、市町村が地域住民に、どこの地区が対象かを示して発表することになります。

レベル3以上は市町村が地域住民に発表(画像)

避難勧告と避難指示は、どちらもレベル4に今回入りましたが、避難勧告のレベル4の時は、対象地区の住民に「速やかな避難」を促すもので、避難指示(緊急)のレベル4の時は、さらに緊急度や切迫度が高まって、対象地区の住民に「直ちに避難」を指示する情報となります。同じレベル4でも、今まで通り、避難勧告よりも避難指示の方が緊急度が高く、避難指示が出た際は、出来るだけ早く「避難完了」していることが望ましいのです。

3段階の避難情報(画像)
図3:3段階の避難情報

では、実際に川の近くの住民が大雨に遭遇した時の情報活用例を確認してみましょう!

このように、レベル5「災害発生」の状況になる前に、レベル4の段階で確実に「即、行動!避難」しなければ危ない場合もあるということです。

危険な時間に危険な場所にいなければ、大雨で命を落とすことはありませんから、川の近く・斜面の近くに住んでいる方は特に、災害が発生する前に安全な場所へ移動する必要があります。

すぐに避難できるようにするためにも日頃からハザードマップで危険箇所や避難場所をチェックしておく必要があります。

自分の命は自ら守る(画像)

5段階でシンプルな情報発信は始まりましたが、まず「自分の命は自ら守る」という意識を持って、いざという時に避難行動のスイッチをオンできるよう日頃から情報の使い慣れすることも大切です。

森山 知洋 プロフィール

資格:気象予報士、防災士、健康気象アドバイザー など。
平成14年に気象予報士を取得後、民間気象会社勤務を経て、現在はHBCウェザーセンターにて、気象キャスターとして活動。
日本気象予報士会北海道支部長も務め、北海道防災教育アドバイザーとしても全道各地で防災講演などを行う。

※掲載した情報やプロフィールは更新日時点のものです。

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