やさしく伝える 防災コラム

大雪

備えて減災「爆弾低気圧と冬の備え」

森山 知洋気象予報士、防災士、HBC気象キャスター

災害が起きたときに被害を最小限にとどめる取り組みを紹介する今日ドキッ!で放送中のシリーズ「備えて減災」。
今回は、『爆弾低気圧と冬の備え』です。

これから寒さが本格化する冬にどんな想定や備えが必要になるか、これから使える情報を紹介します。
冬を迎えるこれからの時期は、「爆弾低気圧」による災害が発生しやすくなります。

月別の爆弾低気圧発生数のグラフ(画像)
月別の爆弾低気圧発生数

“台風並の低気圧”と表現することもある爆弾低気圧。
月別の発生数をみると、冬から春先の12月から3月がピークとなる傾向があります。

「爆弾低気圧」とは寒気と暖気のぶつかり合いで急発達する低気圧のことで、季節外れの大雨や雪解け水による冠水・川の増水を引き起こすこともあります。特に冬に起こる爆弾低気圧は、命にかかわる危険をもたらすことがあり、これまでも、冬の道内に毎年のように災害をもたらしています。

2017年のクリスマスに2つの低気圧が北海道付近で1つにまとまり、急速に発達した爆弾低気圧。猛吹雪による視界不良や大雪で、JRの運休が相次ぐなど交通機関にも大きな乱れが出ました。留萌港では、高波によって灯台が壊され、海へ流されてしまいました。
2012年11月の登別では、爆弾低気圧による湿った雪や暴風で送電線の鉄塔が倒壊。最大5万6千戸が4日間にわたって停電し、多くの市民が暖房を利用することができず大きな混乱を招きました。2013年3月に道東を襲い、9人の犠牲者をだしたのも爆弾低気圧でした。朝の穏やかな天気から一転、午後に急に猛吹雪になったことで、立ち往生が相次ぎ、雪で埋まった車の中で一酸化炭素中毒による事故も起きました。

あらためて振り返ると、冬に起きている大きな災害は爆弾低気圧が原因ということが多く、地震だけでなく、猛吹雪や暴風によっても大規模停電が発生することがあります。

2018年9月6日と12月6日の「昼の時間」と「気温」の比較(画像)
北海道の冬の停電は厳しい

2018年9月6日の北海道胆振東部地震での停電と比べて、冬の停電がどれだけ厳しいかですが、まず、日の出から日の入りまでの昼の時間9月6日から3か月後の12月6日は、4時間も短くなっています。
逆にいうと、4時間も夜の暗い時間が長いということです。そして、気温は2018年9月6日は札幌で27度以上あり、冬と比較すると25℃位高くなります。北海道胆振東部地震と同じような大規模停電や交通マヒが冬に発生した場合、暗い時間が長く、しかも非常に寒い。この厳しい状況をふまえると大事になるのが、『電源と暖房の複数確保』という備えです。

冬の災害に備えるポイント(画像)
冬の災害に備えるポイント
電源を確保するアイテム一覧(画像)
電源を確保するアイテム一覧

電源を確保するアイテムでは、電池をいろんな種類でストックをしておくことはもちろん、ポータブルの携帯充電器も必要です。ランタンは100円ショップでも購入が可能で、リチウムイオン電池などの容量の大きい充電池と接続できるランタンがあると便利です。さらに車のシガーソケットから電源をとれるインバーターもオススメです!

車はガソリンが半分になったら給油する習慣をつけておきましょう。災害時には、車も大事な避難場所になりますが、冬は寒さでバッテリーが上がることもあるので要注意です。

暖房・備蓄アイテム一覧(画像)
暖房・備蓄アイテム一覧

暖房アイテムでは、ポータブルのストーブがないと冬の停電は厳しいです。灯油ストーブ以外に、カセットボンベが使えるストーブや暖房の燃料がなくなった時のために氷点下でも耐えられる寝袋やカイロもあると安心です。

さらに冬はじゃがいも・玉ねぎ、みかんなどの長期保存可能なものは「箱で買う備蓄」がオススメです。ジャガイモと缶詰などを組み合わせて、カセットコンロを用意していれば暖かくて美味しい料理を作ることもできます。

このように冬に災害には、夏場よりもしっかりとした備えが重要です。厳しい寒さと夜の長さを意識して、大雪や吹雪の時に大地震がやってくるような最悪の状況を想定し準備を早めに進めましょう。

森山 知洋 プロフィール

資格:気象予報士、防災士、健康気象アドバイザー など。
平成14年に気象予報士を取得後、民間気象会社勤務を経て、現在はHBCウェザーセンターにて、気象キャスターとして活動。
日本気象予報士会北海道支部長も務め、北海道防災教育アドバイザーとしても全道各地で防災講演などを行う。

※掲載した情報やプロフィールは更新日時点のものです。

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